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『ある朝、ヒーローの妹ができまして。』2巻 感想

ラノベ感想
06 /27 2012


まいどおなじみ、小学生ヒロイン大活躍な餅月望先生の最新作。
作者ブログで、この『ある朝~』のショートストーリーも掲載されておりますので、興味のある方はそちらもどうぞ。

今回は、餅月望版『のび太の恐竜』といった内容。
ヒロインのひとりであるフローラが、イルカノドンという絶滅危惧種の卵を拾ってしまい、生まれてから保護局に届けるんだけど、それを狙う悪党がいて、みんなでイルカノドンを助けるという話。

今回も大絶賛なことに加えて、感想にはややネタバレが含まれているので、興味のある方は以下の感想なんか読まずに、すぐに買いに走っちゃってください。

(※ 以下ネタバレ注意! ※)
とてもすぐれたSF(サイエンスフィクション)であり、S・F(すこし・ふしぎ)なライトノベルだった。
S・Fの始祖でもある藤子・F・不二雄『ドラえもん』は両方の魅力に溢れているが、それはこの作品でも十分に味わえる。
ちょっとした科学の進歩を味わえるSFであり、「こうなったらいいな」というS・Fの魅力を丁寧に見せてくれた。

ポイントとなるのは、イルカノドンの扱い方。
周囲の環境を自分に適したものに変える能力を持っているので、単身で宇宙空間に出ることが可能になっている。もちろん、人をその背中に乗せても大丈夫。暗黒の宇宙空間は、イルカノドンにとっては海と同じものだ。
この、宇宙空間で生き物が縦横無尽に泳ぐというビジュアルからは、まるで『のび太の魔界大冒険』のような、ファンタジックなSFを思い出させてくれた。

さらに凄いのは、この設定を『イルカに乗って宇宙遊泳』というビジュアル重視なものに止めず、話のオチにまで関連させたところ。

イルカノドンの生態を研究すれば、より効率的な宇宙船が開発できるようになる。逆にいえば、イルカノドンがいなければ、効率的な宇宙船は開発することが出来ない。
それゆえに、イルカノドンは乱獲されてしまい、絶滅危惧種になったのだが、それによって宇宙開発が三百年も進んだといわれている。
このイルカノドンがいなければ、地球と小学星は接触することもなく、異星人との交流は生まれず、いままでの餅月ワールドすべてが存在しなかったことになる。
あの、住む星と身分と偏見を乗り越えた大恋愛も、星の命運をかけた戦いも、すべてはこのイルカノドンから始まった物語だったのだ。
この、世界は連綿と続いているという設定の深さも、SFの良さだよね。

そういった世界の広さを仄めかす部分もさることながら、登場人物が考え出した『イルカノドンを助けるには、どうすればいいか?』の解決案には脱帽。
1巻のときでも絶賛した、パラレルワールドと未来世界の関係を上手い具合に料理して、すぐれたSFライトノベルにしてくれた。

餅月作品は、ほんと良きSFだよなあ。
サイエンスフィクションであり、すこし・ふしぎである。
ライトノベル的ご都合主義な設定の中に、ちゃんとSFSFしているガジェットを使って統合性をとっているからなあ。
そういった設定でガチガチにかたい話にせず、イルカとともに宇宙を泳ぐなど、作品全体が夢と遊び心に溢れている。

あとは、他の細かい設定やら展開についての感想も少し。
前巻からわかっていたことだけど、同作者の過去作品である『小学星のプリンセス』や『ロイヤル☆リトルスター』と同じ世界の話なんだよね。
ただ、こっちのほうが少しだけ過去の話なので、まだ地球人は小学星のことを知らないって状況。

それゆえに、小学星人のキャスティアと小学星の関係がけっこう面白かったり。
『小学星のプリンセス』でも登場したあの宇宙艇とキャスティアが関係していたり、シリーズお馴染みのイルカ大好きなあの人もちょっぴり登場。
このことからも、あまり過去の話じゃないことがわかるね。この数年後には、『小学星のプリンセス』が始まり、『ロイヤル☆リトルスター』も始まることだろう。
その話が生まれるのはすべて、今回登場したイルカノドンのおかげであり、ひとりの兄とヒーローな妹たちのおかげなのか。
今回も、大満足なSFライトノベルでした。


そして、毎度お馴染み悪ふざけターイム! 小学星人以外はこの場から去れ!
今回のお題は『FS装甲』
前にあった『GS装甲(ガール・スカウト装甲)』と同じようなノリです。
この名前だけで、どんなあったまの悪いコスプレかわかった人はすごい。詳細は、実際に読んで確かめてみてください。脱力すること請け負いですので。

その他にも、カラー口絵の白ブルマで、ギリギリセーフどころから場外ホームラン級のアウトを放ってみたり、触手レイパーなオレンジ色のタコさんだったりと、なんというか、その、ごちそうさまでした。
小学生ヒロインへの執拗なまでのあんよ描写や、ギリギリアウトなコスプレカラー口絵と、ロリスキー向けのライトノベルという面白さに加えて、ライトSFとしても非常に優れている本作。
続きが本当に楽しみなので、続刊をいまから楽しみに待っております!

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感想リンク。
『小学星のプリンセス』3巻 感想。
『ある朝、ヒーローの妹ができまして。』1巻 感想。
『俺の胃袋は彼女に握られている』
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