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『子ひつじは迷わない』6巻 感想。

ラノベ感想
09 /28 2012
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(2012/08/31)
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ミステリとライトノベルが見事に融合した作品、『子ひつじは迷わない』の第6巻。
今回は、いつもの連作短編形式ではなく、長編形式。

舞台は、雪の山荘。
ミステリ的ガジェットではお馴染みなこの舞台で、いつもの四人が過去に起きた事件の解決を依頼される、というのがだいたいのあらまし。
子ひつじの会の四人が、当時の住民である四人になりきって『だれだったら殺すだろうか?』を考えさせられるのが、コミカルでいてときおり殺伐とし、中々に面白い。

この設定だけだと、ミステリ好きならばワクワクしてしまうところだが、そこは『子ひつじは迷わない』途中途中はなかなかに面白いものの、結末のインパクトは弱めとなっていた。
短編ではひねりの効いた味わいのある作品なのだが、長編になるとやや肩すかしを食らってしまうのは、4巻のときは同じか。

やはり、この作品は連作短編でこそ本領を発揮するので、次はまたその形式に戻って欲しいな。
そう思いながら読み終えたのだが、あとがきによるとこの巻で一区切り。
次は、別の新シリーズを書く予定だとか。

そのため、このあとがきでは作者による過去5巻分の解説がついている。
『子ひつじは迷わない』でもベスト短編だと思っていた、2巻の『VSかぐやテスト』が作者もお気に入りだというのには納得。
あの、捻りの効いた謎解きと、見ようによっては『かぐや姫』の別解釈とも取れるお話はとても面白かったからな。
日ミスであり、パズルであり、とんちであり、そしてラブコメでありと、『子ひつじは迷わない』の面白さが濃縮された一本だと思っている。

お気に入り作品だっただけに、これからもゆっくりとしたペースでいいから出し続けて欲しかったと思っていたので、この中断はけっこう残念。
『子ひつじ』自体はこれで完結というわけではなく、内容としてはいくらでも続けられそうな作品であるので、いつの日か7巻が出ることを願わずにはいられないと思うしだいです。

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感想リンク。
・『子ひつじは迷わない』1巻~3巻 感想。
・『子ひつじは迷わない』5巻 感想。

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