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アニメ感想・ラノベ感想:『六花の勇者』「以前に書いた自分の感想があまりにも酷いものだったので補足しておきます」

ラノベ感想
09 /30 2015


アニメ版の『六花の勇者』が最終回になったので、ちまちまと最後まで見ました。
面白いなあ。原作よりも好きよ。

で、以前に自分が書いた原作1巻の感想(リンク)があまりにも酷いものであり、前々からもう少しまともな文章で注釈を書きたいと思っていた。
アニメ化という良い機会に恵まれたので、自分なりに改めてまとめてみます。

なお、以下の感想はあくまでもミステリとして見た場合の感想です。
作品そのものの面白さとはあまり関係ないので、そのあたりご理解のほどお願いします。
ちなみに、アニメ版はファンタジーものとしては高水準だったことも付記しておきますので。

まず、以前に自分はこの作品のことをバカミスと書いたものだが、今にして思えばそれはかなり大きく的を外していた。
バカミスという言葉はある種の敬意――よくもまあこんなバカなトリック・推理を考えたものだという、呆れと賞賛の入り混じったものだからだ。

かの倉阪鬼一郎氏の長いタイトルの諸作品、
(『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』や『五色沼黄緑館藍紫館多重殺人』など)
のように作者の労力と内容の面白さがあまりに釣り合っていないような作品こそをバカミスと呼ぶべきだ。
以前の自分の感想には、そういったバカミスへの敬意に欠けていた。

『六花の勇者』もたしかにバカミスではあるものの、そのバカミスとしての飛翔、つまりは読者をあっけに取らせるほどのアクロバティックなトリック・推理の面白さがない。
言ってしまえば、この作品はミステリとして読んだ場合は落第点。単に拙いだけというのが今の自分の評価である。

理由としては、当然ながら、
(※ネタバレのため伏字※)
太陽の熱がなくなったとたんに霧が出現するはずがない。
(※ネタバレ終了※)
という、実現不可能なトリックを描いたところが問題となっている。

(ふと気づいたのだが、この問題は、『とある魔術の禁書目録』の幻想殺しはどこまで異能を封じられるのか問題に似ている気がする)

最初に書いたように、今回のエントリーも擁護ではなく、言ってしまえば『六花の勇者』をさらに駄目だししてミステリとしての評価を下げるものでしかない。

なぜここまでネチネチと絡むのかと言われそうだが、偏屈な人間は好きなものこそイチャモンをつけたくなってしまうので、そのあたりを理解していただけると幸いです。

なお、こういう感想を書くと時折り、
「この作品はミステリじゃないんだからミステリとして読むな」
というような反応があるのですが、それは間違いだと言っておきましょう。

ミステリだろうがSFだろうがファンタジーだろうが、作中にそれらの要素がいくらかでも含まれているならばそれに見合った一般的、またはマニアックな知識をひけらかすのはそのジャンルが好きな人からすれば当然のこと。

ある作品のエルフが森に住んでいなくても、それは「その世界のエルフ」という設定だから問題はない。
だが、ファンタジー世界でなんの説明もなくスマホが登場すれば違和感が生まれる。
ファンタジー好きならば、いや、そうでない人にとっても、そこにツッコミを入れない人は存在しない。

同じように、ミステリ好きとしては設定に隙のあるミステリを目にしてしまうと、どうしても噛み付いてしまいたくなるものなんです。
今回のエントリーは、そういった類のものだと思ってください。
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