『蒼穹のカルマ』8巻 感想

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蒼穹のカルマ8 (富士見ファンタジア文庫)蒼穹のカルマ8 (富士見ファンタジア文庫)
(2012/02/18)
橘 公司

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シリーズ完結! めっちゃんこ面白かった!

天駆ける速度で風呂敷を広げていき、それを地上にたたきつける勢いのまま結末まで運ぶ力技の傑作。
オモチャ箱をひっくり返したような、という評はよくあれど、この作品ほどそれを的確に表しているものはないだろう。 

ファンタジーと科学がほどよく融合した世界。姪の授業参観のためにすべてを賭けるバカな主人公。
さらに、ハイファンタジーな異世界に、神様、古代兵器に未来世界と、ひとつの次元にとどまらずどこまでもどこまでも話を広げていく。
絶対にまとめられないと思うような広がりを見せるのに、毎回、毎回、綺麗に山場とカタルシスを作り、最後には次へと続く設定をチラ見せするなど、サービス精神にことかかない。
どー考えても跡付け設定の宝庫のはずなのに、すべてが最初から考えられていたかのようなラストの台詞と展開など、作者の力量をこれでもかと発揮した最終巻だった。

作品の評価というのは、第一話から最終回まで見て、ようやく真なる意味で行うことができる。
たとえ一番最初が面白くても、最後がつまらなければどうしようもない。最後を綺麗に終わらせても、途中の展開がグダグダならば、低評価になるのはいたしかたないことだ。
だが、この『蒼穹のカルマ』は、最後の最後までギアを上げに上げ続けて、中だるみが一切なく、主人公に一切のブレがなく、すべて綺麗に終わらせてくれた。
それは、最終巻のサブタイトルを見れば一目瞭然だ。

『在紗のためなら異世界も魔人も神も無視する』
『在紗のためなら騎士の名誉など屑同然』
『在紗のためなら女子高生になることも厭わない』
『在紗のためなら魔王となり異世界を恐怖に陥れる』
『在紗のためなら魔法少女にも変身する』
『在紗のためなら何度死んでも構わない』
『在紗のためなら赤ちゃんにだってなってみせる』
『そんな駆真の物語』

いままで読み続けた人ならば、ニヤリとせずにいられないサブタイトルだろう。
1巻から心底楽しめた作品だが、完結したいまだからこそ改めて言える。
この作品は、まぎれもなく傑作だ。
こと、全体の構成や、一冊の中で畳み掛ける伏線の妙を楽しみたい人にとって、これ以上オススメできるライトノベルシリーズを知らない。
一冊ならまだしも、シリーズ八冊、三年のあいだ、ずーっと同じクオリティを保ち続けるなど、まさに化物。

また、心の底から大好きだといえるシリーズに出会えた。
富士見ファンタジア文庫は、ちゃんとシリーズを面白いまま完結させてくれる作品が多いから大好き。
大満足。これからまた、1巻から読みかえしてくる!

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