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ラノベ感想:『おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界』「『ただ、それだけでよかったんです』の作者の第二作。今回のは素直に捻くれた逃亡サスペンス」

ラノベ感想
09 /13 2016


電撃文庫、松村涼哉著『おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界』読了。

第22回電撃大賞、大賞受賞作『ただ、それだけでよかったんです』の作者の二作目。
デビュー作が捻くれすぎて王道に近づいた邪道だったとしたら、今回のはストレートな邪道といったところ。

主人公が暴行事件の濡れ衣を着せられて逃亡するという、キャッチャーな冒頭から進む物語。
SNSによって拡散された悪評のせいで街中には興味本位のチンピラが待ち受けて行く手を阻むなど、映画『逃亡者』などと同じような逃亡もののスタンダートな形そのままで最初は進んでいく。

普通ならこのまま主人公がどうやって冤罪を晴らしていくのが問題の焦点になるのだが、そうは簡単には行かない。
ネットに流された告発文の中で暴行事件だけは冤罪だったが、それ以外はほぼ間違っていなかったとすぐに判明する。

ここから逃亡劇の悲惨さとアクションサスペンス要素がぐんと上がる。
逃亡する主人公側の視点と、主人公を追い込んでいく犯人側の視点。そのふたつが入り乱れ、捩れながら徐々に事件の真相へと近づいていく。

なぜ、主人公は罪を犯したのか。
そして、告発文をネットに流した人物の目的は何なのか。

これらの謎を残したまま進むのだけれど、真相はわりと見え見え。
捻くれた物語を読みなれた人ならば、犯人やあの人の目的などはすぐに気づける。

デビュー作にあったどんでん返しによる衝撃が薄いのでそれと同じような面白さを期待すると肩透かしを食らうが、邪道な物語としてはまずまずといったところ。
このまま邪道な物語を続けて出してくれるのなら作家買い出来る人のひとりにはなりそう。

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感想リンク。
『ただ、それだけでよかったんです』
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