ラノベ感想:『ハナシマさん』2巻。「フォークロアというよりもネットロアミステリの第2巻。今回は昨今のラノベの流行に乗っかった異世界トリップもの(物理)」



ガガガ文庫、天宮伊佐著『ハナシマさん』2巻、読了。
お、なんか一気に面白くなったぞ。

1巻はデビュー作ということもあってか、殺人事件を中心にしたミステリ9割、異界成分1割という割合だったものの、今回は開き直ったのか異界成分9割という按配になっていた。

個人的にはこれは大成功。
1巻を読んだときに感じた物足りなさがなくなっていた。

紹介文ではフォークロアミステリとあるものの、出てくるのはフォークロアというよりもネットで検索して簡単に読めるオカルトネタのごった煮という感じ。

チュパカブラ、くねくね、サンジェルマン伯爵、マリーセレスト号などすでに耳タコなネタばかりなのでこの手のネタに詳しい人にとっては退屈な部分もある。

個人的には、本書はフォークロア(都市伝説)というよりはネットロア(ネットオカルト)が正しいと思う。
というのも、中盤から登場する本書のオリジナル都市伝説が完全にネットを媒介にしたものだから。

本書からそのまま引用すると、

169Pより引用。

――心から異世界を求める君へ――
本当にこの世界に飽きているのなら、こちらのアドレスまで。
https://www.●●●●●●.zzz
※●には、山羊の血を吸うものの名前を。



とまあ、実にワクワクするネットロアになっている。
このクイズを解いていくシーンが本書のハイライト。

この問題はひとつで終わりではなく、この後も●●内には「不死の伯爵の名前」や「鹿屋野比売神の化身」など、オカルトな名詞を当てはめなければならないと、じつにネットロアしている。

こうやって姉の行方不明事件に関係した都市伝説を追いかけて事件の真相に迫り、最後にはホロリとくるリリカルな要素まで出たりと1巻に比べたらべらぼうに面白くなっていたね。

1巻よりも2巻の雰囲気のほうが断然好みだったので、続編があるんだったらこの雰囲気のまま続けて欲しいな。


以下、余談。
作中でオカルトとファンタジーの違いみたいなことが書かれていたので、自分の見解を記しておく。

ファンタジーというのはフィクションに対する用語であり、オカルトは現実に存在する超常現象ないし超自然現象などのまゆつばなものすべてに使われるものである。

ファンタジーは創作物ゆえにその世界の神秘をルールで解き明かすことが出来るが、オカルトは不透明な部分が多いのでルールによって解き明かすことが出来ない。

それがルールだと信じた途端に裏切られるのがこの手のものの常と某メルヘン(さん家の立てこもり)作家が書いていたものですけど、自分もこの意見には賛成しております。

――――――――――
感想リンク。
『ハナシマさん』1巻
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