ラノベ感想:『霊感少女は箱の中』2巻「学校の怪談系ホラーの第二巻。今宵も首吊りが豊作である」


電撃文庫、甲田学人著『霊感少女は箱の中』2巻、読了。

1巻に引き続き雰囲気が抜群。
全編を通して徹底して日常に隣接した恐怖が描かれている。

まず出だしからして秀逸。

10Pから引用

 米国に於ける、或る少年の事例。
 家族で観覧した奇術ショウにて、壇上の奇術師に指名されて舞台にのぼり、箱に入れられたのちに別の箱から出てきた母親を、その少年は偽者に摩り替わったのだと信じ込んだ。
 顧客である某氏より、精神病の興味深い症例として此れを聞き、記録す。
 さてキャビネットに入りて出た我らは、前と後で同一なりや?


とまあどこにでもありそうな子供の勘違いというものなのだが、もし、子供の訴えが事実であるならば?
と、日常に潜む恐怖に気づかせてくれるところは実にたちが悪い(褒め言葉)

この雰囲気はさすが甲田学人といったところ。
今回の話の中心となる女子高生たちの交霊会も素人目にはこっくりさんの親戚としか思えないほどシンプルなものなんだけど、作者の持ち味である該博なオカルト知識によって怖さが何倍にも膨れ上がっている。

そのひとつが衣服。
古くから子供というのは霊感が強いものとされていた。特に思春期の少女はその傾向が強い。
現代では衣服で相手の素姓がわかることは少ないが、その中でも例外はある。それを着ていれば誰もが十代の人間だとわかる学校の制服。これこそが、少年少女が霊媒する際に最も適した服装である。

と、霊感体質を持つ主人公は着の身着のままですでに霊的なものを帯びているということになり、さらには現在中高生である読者もまた同じことであると、普段から目にしているものが一瞬で恐ろしいなにかに変るというとても上手い説明でしょう。

これらの身近な恐怖はデビュー作のころから一貫して続けられているものの、ついに制服にまで恐怖を覚えるようになるとは思わなかった。
(余談ですが、アニメイトで貰える購入特典掌編ではランドセルまで恐怖の対象としていましたので)

運動部で当然のように行われる虐待めいた指導、打算しかない動機に後味の悪いオチなど、誰にもオススメできるというものではないがこの雰囲気に一度惚れ込むとずっと追いかけたくなる。
続きが楽しみなシリーズです。

――――
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『霊感少女は箱の中』
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