ラノベ感想:『新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙』「『狼と香辛料』の続編シリーズ。今回の目的は俗語版の聖典を作ることと、相変わらず地味なテーマが輝いている」


電撃文庫、支倉凍砂著『新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙』読了。
タイトルからもわかるように、『狼と香辛料』の続編シリーズ。
なので1巻目から前作の結末に関するネタバレがバンバン出てくるので読んでいない方はご注意を。

本作の主人公は前作で出てきた脇役であり、ヒロインは前作ヒロインであるホロの娘と、この手の続編シリーズのフォーマットそのままで進んでいく。

『狼と香辛料』を読んだのは数年前であり、内容をだいぶ忘れていたので読みながら
「えーと、何があったかなあ……」
と思うこともしばしばあったとかなんとか。


さて。
支倉凍砂先生といえば、よくもまあラノベでこんなテーマを扱うものだと驚くほど地味なネタで一冊書ききる人として(自分の中で)有名なのだが、それは本書でも同じ。

今回の主人公の目的は俗語版の聖典を作ることという、キリスト教の歴史にうとい人にはまったくピンとこないだろうネタで話を引っ張っている。

注釈しておくと、『狼と羊皮紙』は中世盛期ごろのバルト海沿岸あたりを舞台にしていると思われる。
現実では中世の聖書はラテン語で書かれており、聖職者や上流階級以外の人間には読めなかった。
翻訳版聖書が一般に広まるのは印刷技術が発達する15世紀半ば以降まで待たなければならない。

そのため、主人公のコルの目的も実に慧眼さが見て取れる崇高なものであり、自分もとても興味を持って読めたのだが、はたしてこれが一般的に楽しめるものなのかどうかはわからない。

なにせ盛り上がりらしい盛り上がりも後半になってようやく訪れるという、おなじみ支倉凍砂フォーマットそのままで進んでいくので飽きる人は途中で飽きるだろうし。

ヒロインとのやりとりは魅力的。
片方が世間知らずで聞き役となり、もう片方がこの時代の知識の説明役を務めるというお馴染みのやりとりが随所に出てくる。

そしてラストにはこの時代特有の騒動があり、巻き込まれた主人公の行動によって一気に解決へと向かう……とまあ、良くも悪くも「いつもの支倉凍砂」といえばいつもの内容である。

『狼と香辛料』『マグダラで眠れ』シリーズが楽しめれば間違いなく楽しめるんだけど、この三シリーズは未読の方は主人公とヒロインの関係が気に入ったものから読みましょうと薦めておけばよいように思えてきた。
(ちなみに自分は『マグダラで眠れ』がお気に入り)


すでに続きも買ってあるのでちまちまと読んでいくつもりです。

――――――――――――
感想リンク。
『マグダラで眠れ』1巻。
『少女は書架の海で眠る』
『WORLD END ECONOMiCA』
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