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ラノベ感想:『賭博師は祈らない』3巻。「18世紀末のイギリスを舞台にしたギャンブルものの3巻。先の読めない三つ巴のパイ・ゴウ・ポーカーの面白さは見事。」

ラノベ感想
01 /25 2018

電撃文庫、周藤蓮著『賭博師は祈らない』3巻、読了。
2巻の感想は書いていないけど、読み終わってしまったので3巻の感想から。

今までで一番面白かった。
この作品は「18世紀末イギリスの日常描写」と「ギャンブルもの」のふたつが大きな魅力だと思ってるけど、今回は前者の魅力はそのままに後者の面白さをさらに上げてきたといったところ。

今回の話では、主人公のラザルスはとある町の権力争いに巻き込まれてギャンブル(牌九)をする羽目になる。
権力争いに巻き込まれるのはこの手のジャンルではおなじみのネタなんだけど、そこに至るまでの過程がとても丁寧。

老獪な権力者による狡猾な罠に野心を燃やす若者からの直接的な罠と、二通りの思惑によって徐々に逃げ場を失っていく。
単純に逃げるだけなら出来るがそれを行えば誰かが死ぬことになる。
かといって協力する側を間違えても――それどころかどちらに協力しても――犠牲は免れないと下準備は十分。

こういったギャンブルものは「なぜ、主人公がそこまでするのか?」という勝負の席に立つまでの動機を作るのが難しいと思ってるけど、この作品は上手くやってるよなあ。
ラザルスは別にギャンブル狂というわけではなく、いわゆる巻き込まれ型主人公なのでじわじわと逃げ場がなくなっていく焦燥感がとても良い。

三つ巴の戦いなのでどちらの権力者が勝つのか予想がつきにくいところも良し。
もちろん、この手の作品らしく主人公が一歩ぬきんでて両者を蹴落とすという展開も十分にありえるので、どのような結末が待ち受けているのかと最後の最後まで緊張感が持続していた。

こういった緊張感が持続したのは、新ヒロインのジュリアナのおかげでしょう。
メタ視点で先読みするとこういうヒロインは主人公側の味方をするのは当然なんだけど、作中で「死ねといわれれば喜んで死ぬ」ということをすでに行動で見せているジュリアナが味方になるとは思えない。

彼女のおかげでメインヒロインのリーラとの関係も深まったし、これは上手いキャラ配置だなあ。
そのおかげでエディスの影が薄くなってしまったものの、まあ立場上は一番上だしこういう人もいないといけないのでしかたなし。

そうやって緊張感を持続させながらのラスト。
この終わり方は好みだったなあ。まさに「納得のオチ」と皮肉な笑みが顔に張り付くような終わり方だったよ。


ラノベの打ち切りラインと呼ばれる3巻だったものの、このまま続きも出てくれそうなのでホッと胸をなでおろす。
続きも楽しみだなあ。


――――
感想リンク。
『賭博師は祈らない』1巻
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fujimiti