『ドラえもん のび太と奇跡の島 ~アニマル アドベンチャー~』感想。

藤子・F・不二雄作品感想
04 /22 2012


『ドラえもん のび太と奇跡の島 ~アニマル アドベンチャー~』を観たので、いまさらだけど感想。というか、ツッコミ。
SF設定やら、納得のいく説明をすべてぶん投げたB級映画の鑑のような作品でした。

ドラ映画の魅力のひとつである、SF設定にたいする説明をすべて「宇宙パワー(原文ママ)」でうっちゃっるので、見る時は過去のドラ映画のようなノリを期待せずに、バカ映画として楽しむのが正しいのでしょう。
いやー、まさかこのタイトルで、絶滅動物の出番が10分あるかないかなんて、想像も付かなかったよなー。

ネタバレ全開な紹介ですけど、この作品においてネタバレによって損なわれる楽しさなどなさそうなので、折りたたみや白字は用いません。

とりあえずお話。
一回しか見ていないので、細かい部分は間違えているかもしれませんがご了承を。

――あらすじ――
冒頭。奇跡の島で黄金のカブトを探すおっさんと部下。こいつらが今回の敵。
それが終わると場面転換。デパートで、のび太がパパにカブトムシを買って貰う。
パパはのび太に「ちゃんと世話するんだぞ」と言う。のび太は、ちゃんと世話をすると指きりする。

そのカブトムシで、ジャイアンのカブトムシと相撲をするも敗北。ドラえもんに泣きつくのび太。
家の場面になり、みんなでテレビを見ていると、絶滅動物の話題が流れる。そのときに、のび太はパパから、黄金に輝くカブトムシを昔見たという話を聞く。
たしかこのあたりで、のび太のパパとママがのび太の生まれた話をしたと思うけど、特に物語には関わってこない。

のび太は大きなカブトムシを捕まえるために、五百年前のニュージーランドにタイムホールで繋げる。
しかし、トリモチで捕まえられたのは、カブトムシではなくモアだった。
モアが絶滅してしまうことを知っているのび太は、なんとかしてモアが住む場所を与えたいと思う。そして、奇跡の島という絶滅動物を集めた島があることを教えてもらう。
奇跡の島は、6500万年前の隕石の衝突で、宇宙パワーが集まった島だった。その島では、宇宙パワーで動物達に生命力を与えられるので、保護区のようにしている。

ここで、30年前に話は飛ぶ。のび太のパパ、のび助が登場。
のび太たちと間違えて、ゴンスケの乗るタイムマシンはのび助を奇跡の島に連れて行ってしまう。間違えに気付き、次はちゃんとのび太とドラえもんを案内する。

奇跡の島に到着したのび太たち。
スモールライトで小さくしていたモアを元に戻すとき、ポケットから出した忘れん棒をモアに奪われてしまう。そのあとで、のび太は大きなカブトムシを隠し持ち、現代へ帰る。
島に放したモアがのび助と出会う。持っていた忘れん棒がのび助にぶつかり、彼は自分がどこから来たのかを忘れてしまう。
島をさ迷っているのび助は、悪者に追われている子供、コロンを助けた。そのため、のび助は言葉が通じないながらも、彼らに歓迎されることになる。

のび太は奇跡の島から連れてきたカブトムシで、ジャイアンのカブトムシに勝つ。そのことがドラえもんにばれて、いつものメンバーと共に再び奇跡の島に行くことになる。

奇跡の島で遊ぶのび太たち。ジャイアンとスネ夫はそこでのび助と出会う。それが縁で、のび助が助けた人たちとも知り合った。
ほんやくコンニャクを使い、言葉を通じるようにして、その原住民が住む集落で一泊するのび太たち。
夜、焚き火を前にして、のび助が助けたコロンが一歳のころに両親を亡くしたことを知る。そして、コロンに親とはどういうものなのかと聞かれて、のび太たちは親の悪いところを語ったあとで、良いところを語る。

翌日。長老から、数千年前から伝わる、黄金のカブトムシが描かれた壁画のことを教えられ、のび太たちはそれを見にいく。壁画を前にして、長老が黄金のカブトムシ、ゴールデンヘラクレスのことを話す。この島はゴールデンヘラクレスの宇宙パワーで守られているから、いなくなると島も終わりだと。

そこに、ゴールデンヘラクレスを探す悪者の手下がやってきた。コエカタマリンを使ってそれを撃退するも、スネ夫とコロンが連れ去られてしまう。
道具が何もなく、村には武器もない。どうするかと悩んでいると、ジャイアンが助けに行こうと言い出したので、のび太たちも賛成する。
武器にならなそうな秘密道具で、手下ふたりを倒したのび太たち。しかし、敵の親玉はゴールデンヘラクレスを捕まえてしまった。そのせいで、絶滅動物たちが弱ってしまう。

親玉が巨大ロボに乗って攻撃してきた。勝てそうもない状況だったが、のび太が飼っているカブトムシにビッグライトが当たり、大きくなったカブトムシがロボと戦った。
カブトムシはロボを倒し、敵はタイムパトロールがやってくるまで拘束されることになった。
原住民の子供が忘れん棒を持っていたので、ドラえもんはそれを使ってのび助の記憶を元に戻す。のび太はそれでようやく、彼がパパだと気付く。特に会話もないまま、のび助は元いた時代に戻る。
記憶を失ったのび助が、家でゴールデンヘラクレスの絵を描いて終わり。
予告では、鈴がなくなったドラえもんと、探偵っぽいのび太が登場する。
――あらすじ 終わり――

いやー、ツッコミどころ満載でしょ?
思いついただけでも列挙すると、

・冒頭の指きりがまったく活かされない。
⇒なんのためにデパート前の往来でそんなことやったんだよ?
(※ 追記:地上波で放送されたので見返したのだが、カブトムシの世話はドラえもんに任せきりでした。せめて約束くらい守れよ)

・いきなり、『ぼくの生まれた日』のエピソードが挿入される。
⇒『沈黙の要塞』のセガール演説並の唐突さ&無意味さに大笑い。

・宇宙パワー。
⇒もはや、何もいうまい。

・6500万年前に誕生した島。
⇒保護区がどの時代にあるのか不明。おそらくは未来だが、なぜ現代の人が島に気付かないんだよというツッコミ所が残る。

・「モアー」と鳴くジャイアントモア。「ドードー」と鳴くドードー鳥。
⇒ポケモンかよ、とツッコもうとしたけど、わかりやすさ重視ということで許してしまった。棒読みピー助よりはマシじゃん!

・奇跡の島に住む住民。
⇒どの時代の人たちなのか不明。おそらくは、絶滅した人類か部族なのだろうが、数千年前から壁画のことが伝わっているので、いつからこの島にいるのかさらに謎になる。

・親と死別しているコロンの前で、親自慢を始めるのび太たち。
⇒感動的な演出にしているけど、外道な行為なのは言うまでもない。せめて、じいさんが親代わりだから寂しくない、くらい言わせろよ。

・ゴールデンヘラクレスがいなくなると、この島は終わりだ。
⇒絶滅動物が自然繁殖しているなら、別に影響はないよね?
あと、この原住民に宇宙という概念があることすら謎。

・「武器を持たない」と言い放つ原住民たち。
⇒農耕民族なのか、狩猟民族なのかすらわからない生活。食事シーンでは、フルーツばかり食べていた。
⇒絶滅動物を保護する場所のはずなのに、平気で火を焚いている原住民。襲い掛かってこない絶滅動物。

・ゴールデンヘラクレスが捕まり、弱っていく動物たち。
⇒上記のように、弱る理由がない。そして、なぜか元気なままの原住民。お前らマジで何者だ。

・巨大カブトムシと戦う、敵の親玉。
⇒部下は熱線を使う乗り物に乗っているのに、なぜか格闘戦を挑んでくれる良い人。
⇒仲間のために身を挺す覚悟があるジャイアンとのび太なのに、カブトムシの活躍には応援するだけ。

・記憶を取り戻したのび助と、一切の交流がないままの別れ。
⇒まさか、タイムマシンを使って親と会う話なのに、親がそのことをちっとも覚えていない展開にするとは思わなかった。のび太も感慨がなさそうなのが、さらにビックリ。

・家に帰り、ゴールデンヘラクレスを絵に描くのび助。
⇒見たのは壁画。ゴールデンヘラクレスは、敵の親玉しか見ていないのか?


とりあえず、思いついただけでもこれだけ。
ひっどい脚本だなあと思ったら、『新・鉄人兵団』の人だったのか。納得!
あっちも、しずかちゃんが平気で鉄人兵団が徘徊しているであろう夜の町を歩くなど、展開のために細かいところをぶん投げていたからなあ。
面白いことは面白いけど、劇場で見ると大笑いできなくて鬱憤がたまるので、家でビール片手に見るのをオススメします。『午後のロードショー(セガール特集)』みたいな感じですね。

この『面白さ』がすべて、展開の矛盾点や設定のおかしいところへのツッコミになってしまうのが悲しいところ。
伏線の巧みさや、設定の面白さが売りだと思っていたドラ映画が、いまやこのありさまとはねえ……。
ちなみに、似たように絶滅動物を出した名作『雲の王国』ではどうなっていたのかもちょろっと語ります。

『雲の王国』だと、絶滅動物のグリプトドンのことを、のび太はただの大きな亀だと思ってそのままスルー。そのあとで図鑑を見てから絶滅動物だと気付き、「なぜ、そんなのがいるんだ?」と疑問を持つ。
ここらへんが、F作品の売りである、自分で行動して謎に接近する、半径百メートルの世界なんでしょうね。
グリプトドンをただの乗り物として出すのではなく、それに乗っていた男の子が脱出のために必要だったという意味付けまでされているところが上手い。

さらに言えば、その脱出した少年を助けたせいで、のび太たちの雲の王国が天上人に発見されるなど、展開の繋げ方の上手さがバツグンとなっている。
さらにさらに、その少年が雲の王国からいなくなったことで、ドラえもんは秘密道具の『まいご探し機』を出し、それが後々の展開に繋がり……と、伏線と展開の妙を楽しめる作品になっているんだけど、長くなるので割愛。細かい感想は、また後日。

さんざバカにしているような書き方になりましたけど、面白さでいえば新ドラ映画の中でも悪くはないほうでした。少なくとも、しょんぼりリメイクよりは飽きずに最後まで観れた。
なんというか、最近の『クレヨンしんちゃん』の映画みたいに、細かい部分を抜きにして、勢いだけで笑いたい、とってつけた感動を味わいたいって人は見てみてもいいんじゃないでしょうか。あと、ぼんくら映画愛好家。それ以外は知らん。

――――――――――
感想リンク。
『ドラえもん のび太の大魔境 』感想。
『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』感想。
『ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』感想。
『ドラえもん 新・のび太の大魔境 ~ペコと5人の探検隊~』感想。
『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』感想。
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