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『ギフテッド』二丸修一 感想

ラノベ感想
04 /27 2012
ギフテッド (電撃文庫)ギフテッド (電撃文庫)
(2011/11/10)
二丸 修一

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五月に第2巻が出るそうなので読みました。面白いね。

商品紹介だと、バトルロワイヤルみたいな殺し合い系統の物語に感じるけど、内容としてはいわゆる孤島脱出サバイバルに近い。
ダラダラと生きていくだけは出来るけど、結果としては何ひとつ変えられない状況を受け入れるか、それとも、行動を起こして脱出(本作では、幹部)を目指すかで登場人物の行動が分かれて、それによって生まれる対立やら何やらを描いたサスペンス。
味わいとしては、同じ電撃文庫の『扉の外』に近いかな? 明確な目標がある分、あっちよりは殺伐としていないけどね。

中盤まではそういった暗中模索なノリで進むけど、後半からは一気に加速。仲間と協力して問題を解決する、頭脳ゲームとバトルものの中間といった内容になり、さらに面白くなっていく。
とある目的を定めてから、それに行うための方法をいままでの行動やら登場人物から導き出して決めていく部分が、ミステリの謎解きにも似ているのでとても好みだった。伏線回収のカタルシスだね。
丁寧に作られた『どうやって解決するのか?』と『主催者の目的は?』を楽しんで読ませてもらった。

展開もさることながら、新人でここまで登場人物を上手く回したのも久しぶりに見た。
主人公が属している、協力体制の派閥のうち目立つ人物が四人、その派閥からハブられ気味な主人公とロリヒロインで二人、単独行動をする人物二人に、さらにはまた別の敵対する相手や管理側の人間など、十人ほどの主要人物が無駄なく動いている。

とくに驚いたのは、とある人物がいる理由。
ネタバレになるので詳しくは書けないが、こういった作品だと(※念のため伏字※)怪しかったり親しい人間は裏切る(※伏字終わり※)のが当然なのに、あえてそれをせずに進めていき、最後には登場人物のキャラ付けに対する説明がちゃんとなされているところが見事。
本作の目的を、よくある賞金目当てのゼロサムゲームにするのではなく、幹部の採用試験にした理由もこれだったんだね。
頭脳戦だけど殺し合いにせず、賞金という即物的ではないもう一歩進んだ目的を作るなど、設定面も上手い。

脳みそをガツンと叩かれるような驚くべき衝撃はなかったけど、同じような作風の中ではかなり上手い作品だったな。
上のほうで書いた『扉の外』と比べちゃうと、衝撃度とゲーム的な面白さはあっちのほうが上で、全体の完成度では『ギフテッド』のほうが上だと感じられた。
どちらもとても面白いので、読んでいない人には両方ともオススメです。

これで5月に買う電撃文庫がまた一冊増えてしまった。
『メグとセロン』『ブラック・ブレット』に杉井光と土橋真二郎の新作にと、やたらに豊作な月だな。嬉しい悲鳴、嬉しい悲鳴。

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感想リンク。
『ギフテッド』2巻 感想。
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