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『ノーゲーム・ノーライフ1 ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです』榎宮祐

ラノベ感想
08 /07 2012

作者とイラストレーターが同じ人という、なんとも珍しい作品の第1巻。

タイトルからわかるとおり、本書はゲーム小説だ。
ゲームを題材にした作品には、ふたつのパターンがある。
与えられたルールを守り、その制約の中で最適の勝負を行うものと、ルールの裏をかくものだ。

前者の作品は、ゲーム小説よりもミステリのジャンルに多い。いわゆる『パズラー』というやつだ。
殺人事件が起き、犯人がトリックを仕掛け、探偵がそれを解き明かす。
登場人物は誰も嘘や行き当たりばったりの行動を取らずに、理性的に動く。
人の感情にあまり頓着せず、登場人物を駒のように扱い、純粋論理のみを追求したものだ。

もうひとつのパターンは、ゲーム小説に多い。いわゆる『騙しあい』の作品だ。
この手の作品は、最近のライトノベルや漫画では数多く見かけるが(『月見月理解の探偵殺人』や、『カイジ』などなど)、騙しあい中心の作品は、映画の『スティング』など、昔から数多く存在している。
ゲームを題材にした作品では、ロアルド・ダールなどの短編作家も書いていることなので、どんでん返しが売りのエンタメ作品としては、ある種の王道なのだろう。

この『騙しあい』の魅力は、いかにしてルールの隙をつくかというところにある。
登場人物たちはゲームのルールを決めるのだが、イカサマをするのは当たり前。
勝利への最適解は存在せず、あくまでも勝率を上げることしかできないゲーム。それに、口八丁で挑んでいくというものだ。

本書『ノーゲーム・ノーライフ』も、この後者のパターンに属している。
主人公の空と妹の白は、ゲームで争いごとのすべてが決まる異世界に呼び出されて、そこでゲームを行い、頂点を目指すことになる。

本作ではふたつのゲームが登場する。ひとつは『ジャンケン』
これは、この手のゲームものではよく扱われるのでわかりやすいだろう。空が、
「俺はパーしか出さない」
といって、相手と勝負をする。相手の心理を読んで、勝利をものにするパターンだ。

もうひとつは、魔法がかけられたチェス盤を使った『コマが意思を持っているチェス』だ。
チェスがプレイヤーの命令を聞かずに行動するので、前述したようなパズラーとしての楽しさは皆無となっている。
展開も、頭脳戦というよりもやや勢い重視だったものの、それなりには面白い。
チェスは戦場を模したものとはいったもので、まさにチェス盤の上で実際の戦場のような混乱が起きる。
その勝利方法も、異世界召喚という要素と関連付けているので、ファンタジーとゲームを取り扱った作品としては、及第点の出来といえるだろう。

1巻はまだまだ紹介編といった感じだったが、設定によると魔法によるイカサマが得意なエルフや、感覚が研ぎ澄まされている獣人なども存在するらしいので、それらがどうゲームと関わってくるのか期待。
続刊が9月25日に出るらしいので、忘れないようにしておきましょう。

あ、それとカラー口絵(公式サイトで見れるやつ)が、白ちゃん(11歳)によるロリ風呂天国(ヒャッホー!)でしたけど、大喜び(ヒャッホー!)したのは言うまでもないことなので、心で思っても口には出しません(ヒャッホー!)

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感想リンク
『ノーゲーム・ノーライフ』2巻
『ノーゲーム・ノーライフ』3巻
『ノーゲーム・ノーライフ』4巻
『ノーゲーム・ノーライフ』5巻
『ノーゲーム・ノーライフ』6巻 雑感。
『ノーゲーム・ノーライフ』6巻 感想。
『ノーゲーム・ノーライフ』7巻

『ノーゲーム・ノーライフ』16種族についてのメモ。
・ライトノベル感想:榎宮祐作品は人間賛歌だ!
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