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『さくら荘のペットな彼女』8巻 感想。

ラノベ感想
10 /19 2012
さくら荘のペットな彼女8 (電撃文庫)さくら荘のペットな彼女8 (電撃文庫)
(2012/10/10)
鴨志田一

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(※ この8巻のあとがきは、必ず本編読了後に読んでください。 ※)

『さくら荘のペットな彼女』の第8巻。
おお、こう来たか。
7巻の引きから続いて、恋愛方面を優先させてきたね。

今回は、ほぼ全編が空太、ましろ、七海の三角関係の決着編に当てられている。
いままでも、この三人の関係にはけっこう触れられていたけど、本編はあくまでも夢をかなえるために努力する、若者たちの青春ドラマだったからね。
夢方面の話を一旦置いておいて(とはいえ、ちょっとは触れられるが)、先に空太たちの関係に完全に決着をつけに来たのか。

読んでいるときは、空太がうじうじしすぎかもと思ったものの、読みおえるとこのバランスが正しいね。
言ってしまえば、他のラブコメものの作品が数巻かけて向き合っている問題を、7巻の後半部分と、この8巻だけで終えたのだから、悩んでいる期間はむしろ短いといえよう。

いままで作中で出てきた夢や目標への態度や意見を見るに、作者はかなりシビアな、言い換えれば、大人な考えを持っていそう。
そのシビアな部分と、空太の青臭さのぶつかり合いは今回も健在であり、それが非常に心地よい。
307Pの、

「どっちかの『好き』を気のせいだと思って否定しなさい。なかったことにすればいいのよ。賢い大人はね、そうやって都合の悪い事実は見なかったことにするの。自分を傷つける気持ちからは目を背けるのよ。最初からなかったことにしてしまえば、痛みなんてどこかへ消えてしまうわ」


この辛辣な台詞と、それに対する空太の答えがねえ。
その空太が悩んだ末に出した答えについては、どうこう言わないでおきましょう。これはもう、人によるとしか言えないので。
個人的には、322Pからの空太の行動には非常に満足したので全部許しちゃう。三角関係で、こういった細かい部分をうっちゃらないで、ちゃんと処理してくれるのはいいねえ。

新キャラを出さなければ、7巻の分と含めて1冊でまとめられたかもと思わなくもないけど、7巻の余韻は捨てがたいので、この構成は正しかったと思う。
あの、おあずけを食わされた読者のやきもきした時間と、この8巻内のもどかしいほど長い数日の時間がシンクロしているようだもの。
これから読む人は、7巻を読み終えた後か、8巻をある程度読み進めたところで、一度手を止めて欲しい。そのあいだに既刊を読み返すなり何なりして、空太の悩みを共有すると、きっとめっちゃ楽しめると思うから。

そして、あとがきが凄い。
作中で提示された問題を、改めて突きつけてくるとは。こんなインパクトのあるあとがきは、まずお目にかかれないね。
鴨志田先生って、わりと淡白なあとがきを書いている人だけど、それが逆に深い味わいと余韻に繋がったな。
なので、今回のあとがきはぜったいに本編を読んでから読みましょう。そのほうが、間違いなく楽しめるから。

そのあとがきによれば、この『さくら荘のペットな彼女』もあと2冊で完結とのこと。
残るエピソードは、謎に包まれていた龍之介のことと、空太の夢の着地点くらいか。

『さくら荘のペットな彼女』という作品は、夢と恋愛のバランスが絶妙だと思っていたけど、恋愛に決着がついてしまったので、次は夢方面の話だけで一本通すのかな。
あまり完成しすぎるよりも、発展途上のままでで終わらせて欲しいけど、どうなるかな。

わりと一年生ズのことは放置されたまま終わりそうだけど、過去の例を見るに短編で補完されそうだな。
完結を楽しみにして続きを待ちましょうか。
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感想リンク。
『さくら荘のペットな彼女』6巻
『さくら荘のペットな彼女』7巻
『さくら荘のペットな彼女』7,5巻
『さくら荘のペットな彼女』10巻
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