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藤子・F・不二雄短編の終わり方まとめ。

藤子・F・不二雄作品感想
11 /06 2012
Wikipediaを見ていたら、岡崎二郎の項目に、

しばしば藤子・F・不二雄の短編集と比較されるが、藤子のそれは性質上、児童漫画では描けないようなブラック・ユーモア色が強いのに対し岡崎の作品はハッピーエンドが多数を占める。

という記述があった。
この文章がブラックユーモア=バッドエンドと捉えているところも気にはなるが、問題は藤子・F・不二雄作品にハッピーエンドが少ないように書かれている部分だ。
F先生の作品にブラックユーモア色が強いのは否定しないが、ハッピーエンドな話がとても多かったはずだ。
そこで、本当にハッピーエンドが多いのかを、手持ちですぐに調べられるだけの作品を集めて調べてみた。
取り上げた作品の条件は以下のものだ。

・短編、中編のみを取り扱う(シリーズものは一切含まない)
・数話で終わったシリーズものや、幼児向けととれる内容の作品もまた(バッドエンドを迎える作品が非常に少ないため)省く。
・『異人アンドロ氏』は1本しか発表されていないものの、内容は『ドラえもん』と似通っているので除外した。
・『藤子・F・不二雄大全集 第3期 初期SF作品』は幼年向け作品や、ショート・ショートのような作品が多いので、これもまた除外した。

終わり方は四種類に分類する。
それぞれ、

(1):ハッピーエンド。
(2):バッドエンド。
(3):どちらともいえない。
(4):例外。

判断基準が難しいのだが、未来に希望や展望があるものを(1)の『ハッピーエンド』とする。
ただ、希望はあれど破滅としか思えないのは(2)の『バッドエンド』や、(3)の『どちらともいえない』にした。
なお、(4)の『例外』というのは、コミカルな作品であったり、落語のような小話、奇妙な作品のようにオチで驚かせるための物語の場合につけたものだ。
また、基準をハッピーもしくはバッド『エンド』としているので、途中の展開で不幸な目にあおうとも、終わり方が幸せそうならば(1)にするという例外(主に『一千年後の再開』のこと)もある。

◆『少年SF短編集1 未来ドロボウ』
藤子・F・不二雄少年SF短編集 (1) (小学館コロコロ文庫)藤子・F・不二雄少年SF短編集 (1) (小学館コロコロ文庫)
(1996/04)
藤子・F・不二雄

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▼(1):ハッピーエンドの作品。
・『ひとりぼっちの宇宙戦争』
・『コマーさる』
・『なくな! ゆうれい』
・『未来ドロボウ』
・『宇宙船製造法』

▼(2):バッドエンドの作品。
(該当作品なし)

▼(3):どちらともいえない作品。
・『恋人製造法』
・『ニューイヤー星調査行』

▼(4):例外の作品。
・『四畳半SL旅行』


◆『少年SF短編集2 絶滅の島』
藤子・F・不二雄少年SF短編集 (2) (小学館コロコロ文庫)藤子・F・不二雄少年SF短編集 (2) (小学館コロコロ文庫)
(1996/04)
藤子・F・不二雄

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▼(1):ハッピーエンドの作品。
・『ポストの中の明日』
・『ふたりぼっち』
・『宇宙からのおとし玉』
・『アン子、大いに怒る』
・『山寺グラフティ』

▼(2):バッドエンドの作品。
(該当作品なし)

▼(3):どちらともいえない作品。
・『おれ、夕子』
・『流血鬼』
・『絶滅の島』

▼(4):例外の作品。
・『世界名作童話』


◆『SF短編集1 創世日記』
藤子・F・不二雄SF短篇集 (1) 創世日記 中公文庫―コミック版藤子・F・不二雄SF短篇集 (1) 創世日記 中公文庫―コミック版
(1994/09)
藤子・F・不二雄

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▼(1):ハッピーエンドの作品。
・『マイ・シェルター』
・『創世日記』
・『老年期の終り』
・『みどりの守り神』

▼(2):バッドエンドの作品。
(該当作品なし)

▼(3):どちらともいえない作品。
・『いけにえ』

▼(4):例外の作品。
・『街がいた!!』
・『うちの石灰紀』


◆『SF短編集2 メフィスト惨歌』
藤子・F・不二雄SF短篇集 (2) メフィスト惨歌 中公文庫―コミック版藤子・F・不二雄SF短篇集 (2) メフィスト惨歌 中公文庫―コミック版
(1994/09)
藤子・F・不二雄

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▼(1):ハッピーエンドの作品。
・『メフィスト惨歌』
・『倍速』
・『マイホーム』
・『侵略者』
・『有名人販売株式会社』
・『ユメカゲロウ』

▼(2):バッドエンドの作品。
・『マイロボット』
・『テレパ椎』

▼(3):どちらともいえない作品。
(該当作品なし)

▼(4):例外の作品。
・『裏町裏通り名画館』
・『殺され屋』


◆『SF短編集3 超兵器ガ壱號』
藤子・F・不二雄SF短篇集 (3) 超兵器ガ壱号 中公文庫―コミック版藤子・F・不二雄SF短篇集 (3) 超兵器ガ壱号 中公文庫―コミック版
(1994/10)
藤子・F・不二雄

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▼(1):ハッピーエンドの作品。
・『影男』
・『耳太郎』

▼(2):バッドエンドの作品。
・『神様ごっこ』

▼(3):どちらともいえない作品。
・『福来たる』
・『あいつのタイムマシン』

▼(4):『例外の作品』
・『超兵器ガ壱號』
・『昨日のオレは今日の敵』
・『宇宙人』


◆『SF短編集4 ぼくは神様』
藤子・F・不二雄SF短篇集 (4) ぼくは神様 中公文庫―コミック版藤子・F・不二雄SF短篇集 (4) ぼくは神様 中公文庫―コミック版
(1994/10)
藤子・F・不二雄

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▼(1):『ハッピーエンドの作品』
・『ぼくは神様』
・『求む人! 求める人』
・『旅人還る』
・『ぼくの悪行』
・『考える足』
・『ベソとこたつと宇宙船』

▼(2):『バッドエンドの作品』
(該当作品なし)

▼(3):どちらともいえない作品。
・『従地球論』

▼(4):例外の作品。
・『白亜荘二泊三日』


◆『異色短編集1 ミノタウロスの皿』
ミノタウロスの皿 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)ミノタウロスの皿 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)
(1995/07)
藤子・F・不二雄

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▼(1):ハッピーエンドの作品。
・『ドジ田ドジ郎の幸運』
・『一千年後の再開』

▼(2):バッドエンドの作品。
・『自分会議』
・『間引き』
・『劇画・オバQ』
・『T・Mは絶対に』
・『コロリころげた木の根っこ』

▼(3):どちらともいえない作品。
・『じじぬき』
・『3万3千平米』
・『ミノタウロスの皿』
・『わが子スーパーマン』

▼(4):例外の作品。
・『オヤジ・ロック』
・『ヒョンヒョロ』


◆『異色短編集2 気楽に殺ろうよ』
気楽に殺ろうよ (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)気楽に殺ろうよ (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)
(1995/07)
藤子・F・不二雄

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▼(1):ハッピーエンドの作品。
・『ミラクルマン』
・『幸運児』

▼(2):バッドエンドの作品。
・『大予言』
・『定年退食』
・『気楽に殺ろうよ』
・『休日のガンマン』

▼(3):どちらともいえない作品。
・『やすらぎの館』
・『分岐点』
・『換身』
・『ウルトラ・スーパー・デラックスマン』

▼(4):例外の作品。
・『老雄大いに語る』
・『光陰』
・『宇宙人レポートサンプルAとB』


◆『異色短編集3 箱舟はいっぱい』
箱舟はいっぱい (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)箱舟はいっぱい (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)
(1995/07)
藤子・F・不二雄

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▼(1):ハッピーエンドの作品。
・『権敷無妾付き』
・『イヤなイヤなイヤな奴』
・『タイムカメラ』
・『あのバカは荒野をめざす』
・『ミニチュア製造カメラ』

▼(2):バッドエンドの作品。
・『箱舟はいっぱい』
・『どことなくなんとなく』
・『カンビュセスの籤』
・『クレオパトラだぞ』

▼(3):どちらともいえない作品。
・『俺と俺と俺』
・『ノスタル爺』
・『タイムマシンを作ろう』

▼(4):例外の作品。
(該当作品なし)


◆『異色短編集4 パラレル同窓会』
パラレル同窓会 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)パラレル同窓会 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)
(1995/07)
藤子・F・不二雄

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▼(1):ハッピーエンドの作品。
・『値ぶみカメラ』
・『同録スチール』
・『夢カメラ』
・『親子とりかえばや』
・『コラージュ・カメラ』
・『かわい子くん』
・『四面鏡』

▼(2):バッドエンドの作品。
・『懐古の客』
・『ある日……』

▼(3):どちらともいえない作品。
・『パラレル同窓会』
・『丑の刻禍冥羅』
・『鉄人をひろったよ』

▼(4):例外の作品。
・『女には売るものがある』
・『並平家の一日』


◆『藤子・F・不二雄大全集 第2期 少年SF短編 3巻』
藤子・F・不二雄大全集 少年SF短編 3 (藤子・F・不二雄大全集 第2期)藤子・F・不二雄大全集 少年SF短編 3 (藤子・F・不二雄大全集 第2期)
(2011/07/25)
藤子・F・ 不二雄

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▼(1):ハッピーエンドの作品。
・『ボクラ共和国』

▼(2):バッドエンドの作品。
▼(3):どちらともいえない作品。
▼(4):例外の作品。
(※ 以下の三作品もこの巻に収録されているのだが、自室の中に埋もれて見つからなかったので、詳細は後日追記する予定です)
(※ そのため、『ボクラ共和国』はすぐに見つかった『藤子・F・不二雄 SF短編PERFECT版 2巻』を読み(1)にしました)

・『ぼくのロボット』
・『ぼくのオキちゃん』
・『スーパーさん』


◆『藤子・F・不二雄大全集 第3期 SF・異色短編 1巻』
藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編 1 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編 1 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)
(2011/10/25)
藤子・F・ 不二雄

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▼(1):ハッピーエンドの作品。
(該当作品なし)

▼(2):バッドエンドの作品。
・『アチタが見える』

▼(3):どちらともいえない作品。
・『カイケツ小池さん』
・『ボノム=底ぬけさん=』

▼(4):例外の作品。
(該当作品なし)


◆『藤子・F・不二雄大全集 第3期 中年スーパーマン左江内氏/未来の想い出』
藤子・F・不二雄大全集 中年スーパーマン左江内氏/未来の想い出 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)藤子・F・不二雄大全集 中年スーパーマン左江内氏/未来の想い出 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)
(2012/02/24)
藤子・F・ 不二雄

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▼(1):ハッピーエンドの作品。
・『未来の思い出』

▼(2):バッドエンドの作品。
▼(3):どちらともいえない作品。
▼(4):例外の作品。
(すべて、該当作品なし)


◆『藤子・F・不二雄大全集 第3期 UTOPIA-最後の世界大戦 / 天使の玉ちゃん』
藤子・F・不二雄大全集 UTOPIA 最後の世界大戦/天使の玉ちゃん (藤子・F・不二雄大全集 第3期)藤子・F・不二雄大全集 UTOPIA 最後の世界大戦/天使の玉ちゃん (藤子・F・不二雄大全集 第3期)
(2012/09/25)
藤子・F・ 不二雄、藤子 不二雄A 他

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▼(1):ハッピーエンドの作品。
・『UTOPIA-最後の世界大戦』

▼(2):バッドエンドの作品。
▼(3):どちらともいえない作品。
▼(4):例外の作品。
(すべて、該当作品なし)


◆『数字まとめ』
(1):47:ハッピーエンド。
(2):19:バッドエンド。
(3):25:どちらともいえない作品。
(4):17:例外の作品。

◆『私見』
(1)の47という数に比べて、(2)は19しかない。(3)を足したとしても44だ。過半数には至らない。
このように数字にしてみるとわかりやすいが、藤子・F・不二雄短編はけっして、バッドエンドだらけの作品ではない。
おそらくは、『異色短編集』にバッドエンドの作品が集中しているために、このような誤解が広まってしまったのだろう。
世間での印象がどうなのかは知らないが、藤子・F・不二雄がハッピーエンドを数多く書いているのは、れっきとした事実だ。

同じように数字を見ると、藤子・F・不二雄短編では『どちらともいえない』終わり方が多いことがわかる。
幸せか不幸せか。どちらにも取れる余韻の深い結末もまた、バッドエンドが多いと勘違いされやすい理由の一旦なのだろう。

(3)の、『どちらともいえない終わり方』の作品は、さらに詳しい説明を加えたいのだが、どうにも記事が長くなりすぎたので後日にわけるとする。
明日は(3)の『どちらともいえない終わり方』について、より細かく言及する予定だ。
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