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『ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』感想。

藤子・F・不二雄作品感想
04 /07 2013


花粉症もぼちぼち治まってきたので、映画館へ見に行きました。
『ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』の感想です。
今回は、めっちゃくちゃ面白いぞー!

去年の作品(感想)がアレだったこともあり、今年はどうなることやらと不安八割で見に行ったものの、新版のドラ映画で一番面白い作品になりましたとさ。
というか、藤子・F・不二雄先生、存命時の作品にも匹敵する面白さだったよ、これ。

『奇跡の島』の感想では、あらすじまでバッチリ書いてしまったものの、今回はネタバレをしたくないので(ぜひ、見に行ってください!)面白かった部分だけをざっと紹介します。

・ひみつ道具の使い方がとても上手い。
タイトルにもあるけど、今回の影の主役はひみつ道具だね。扱い方がとても上手かった。
作中で道具を色々出すんだけど、それがちゃんと物語の中で活用されていた。

『ガリバートンネル』を使ってジャイアンとスネ夫が小さくなるんだけど、それによってある人物への疑惑が生まれたり、アクション面での活躍が増えたりなど、『小さい』という状況を使って、物語を進めている。
それ以外にも、クルトが作った『びっくりライト』を出すための状況を作り出しているなど、とても上手い。

お話を進めるための使い方以外でも、怪盗DXと警部との対決も見所のひとつ。
『手投げミサイル』相手に『ひらりマント』を出すなどして、相手のひみつ道具に対して有利な道具を出すことによって千日手の状況を作り出すなど、とても面白かったな。

個人的には、『芝刈り魚』の使い方が気に入っていたり。
この道具は、原作の『ガラパ星から来た男』でも重要な道具だっただけに、今回のあの出番にはけっこう満足。


・ミステリとして、とても丁寧。
子供向け推理ものとして、かなりの高水準。
これ、下手したら大人も騙されるんじゃないかというくらい、とても丁寧な作りをしていた。

さすがに、大人が見ればそれなりにわかりやすい作りになっているものの、その謎の出し方が上手い。
Aが怪しいという要素を出しつつ、いやいやBが怪しいぞという雰囲気を出しておくなど、動機やら行動によって犯人候補を何人も用意する。
そうやって、容疑者のほとんどが怪しくなったところで解決編。
ひとりひとり犯人候補から除外して行き、最後の最後で足元をすくうという、ミステリの正しいプロセスを踏んでいた。

いわゆる、ミスリード(ミスディレクション)が上手いんだね。
真犯人Cではなく、容疑者AやBが犯人だと思わせるという風に、ちゃんと観客を導いてくれた。
下手くそなミステリだと、この手順が省略されて「はい、意外な犯人です。驚きました?」になってるからね。
ちゃんと、一歩一歩進めてくれないと、驚きも半減するってもんよ。

そのミステリの解決編にしても、ある部分がとても気に入った。
(※ ネタバレというほどではないが、いちおう伏字 ※)

その人には犯人らしい要素がないものの、証拠があるから犯人だ。というミステリとして必要不可欠な手順を踏んでくれたところ。
当たり前といえば当たり前なんだけど、これがあるかないかだけで、面白さがかなり変わるからね。


(※ 伏字終了 ※)


・押し付けがましくない感動が好印象。
今回は、ドラえもんとのび太のちょっとした思い出がエピソードを彩っていた。
作中での「数年前」にはかなりツッコミたいけど、(ドラえもん、いつからのび太の家にいるんだよ!)そこはサザエさん時空ということで目をつむりましょう。

名指しでバカにして申し訳ないのだが、去年の映画『奇跡の島』では、内容にまーったく無関係な『ぼくの生まれた日』のエピソードが挿入されていたけど、今回のとは雲泥の差だね。
あっちのは冗談抜きで話に絡まず、スーパーお説教タイムで終わっていただけに、『ひみつ道具博物館』の上手さが際立ったよ。

具体的に言っちゃうと、
(1):のび太の良いところとして、友達のためなら諦めずに最後まで行動するということを、ドラえもんの回想で出す。
⇒その回想が、ドラえもんの行動の理由になっている。
(2):ゲストキャラであるクルトにも、失敗しても諦めないという性格を与えている。
⇒この性格が、クルトの行動の理由になっている。
(3):それらの『諦めない』という気持ちが、最後の解決部分に活用される。

というふうに、ひとつのちょっとしたエピソードが、後々の大事な展開に繋がっている。
いわゆる、伏線というやつだね。ひとつの展開の二重活用。
良い話をそれだけで終わらせるんじゃなくて、ちゃんと物語を進めるときにもう一度出したり、困難を解決するために使ったところが上手い。


・半径100Mの世界を守っている。
事件の真相のスケールの小ささも素晴らしかったのだが、のび太たちの無力さがじつに見事。

『ドラえもん』の面白さのひとつに、のび太たちは道具を使わないと何も解決できない子供、って部分があると思うんだよね。
当然といえば当然なんだけど、ひみつ道具さえ使ってしまえば、たいていの映画の問題は解決できちゃうから。

クラスでビリから二番でも、道具を使えばスーパーマン! 

というのは、『パーマン』の歌でも唄われていることだけど、『ドラえもん』でもそれは変わらない。
いくらジャイアンの力が強くても、大人どころか中学生相手にも勝てないし、相手に攻撃の意思があればあっさりと負けてしまう。これは、原作の『ドラえもん』や、過去の劇場版で描かれてきたことだ。
だからこそ、ひみつ道具を使ったときに、その便利さと強さがよくわかるんだよね。

そんな便利すぎるひみつ道具だから、過去の作品ではポケットが奪われたり、ドラえもんが壊れちゃったり、道具を無くしたりと、色々な理由で使わせないようにしていた。
今回も、道具がとある理由で使えなくなってしまうんだけど、最後の最後に大盤振る舞いがあるんだよね。
ここが、とても上手く『ドラえもん』映画の面白さを描いていたと感じられた。

下手なドラ映画だと、そんな無力なのび太たちが道具を使わずにやたらと活躍したり、またはゲストだけが活躍して辟易とするんだけど、今回は違う。ちゃんと、秘密道具に頼り、それによって事態を解決してくれた。

そうそう、それでいいんだよ!
この、「ひみつ道具ってすげー!」ってのは、巨大ロボものや、特撮ヒーローものにも繋がる面白さだよね。
ラストシーンで、秘密道具を使ってどうにかして事態を解決しようとするところなんて、目が離せなかったもの。


こんなところです。
まさか、この歳になってドラ映画でここまでワクワクできるなんて思わなかったよ。
子供のころに見たときと同じような感動が蘇ったというか、なんというか。
単純なワクワクドキドキという意味では、ここ最近見たアニメ映画のなかでもかなりのレベルです。これ、もう一回見に行きたいなあ。

来年は『大魔境』のリメイクっぽいですね。
これまた、元の作品はメチャクチャ面白い傑作なので、来年の映画も楽しみにしとこうっと。

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感想リンク。
『ドラえもん のび太の大魔境 』感想。
『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』感想。
『ドラえもん のび太と奇跡の島 ~アニマル アドベンチャー~』感想。
『ドラえもん 新・のび太の大魔境 ~ペコと5人の探検隊~』感想。
『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』感想。
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