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『ソード・ワールド2.0リプレイ バウムガルトの迷宮城』感想。

ラノベ感想
04 /14 2013
ソード・ワールド2.0リプレイ  バウムガルトの迷宮城 (富士見ドラゴンブック)ソード・ワールド2.0リプレイ バウムガルトの迷宮城 (富士見ドラゴンブック)
(2012/10/20)
大井 雄紀、グループSNE 他

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読了。
ソード・ワールド2.0の、『ルールブックⅠ(改訂版)』だけで遊べる一冊らしいです。
うん、これはけっこう面白かった。

1巻で終わるリプレイって、あまり楽しめないものが多いんだけど(『滅びのサーペント』は珍しい例外だよね)これは中々。
根元にある展開がゲーム的なものだったためか、最後まで楽しめたな。

TRPGリプレイって、けっきょくはキャラクター小説と同じだから、登場人物が好きになれないと読み続けることが難しいんだよね。
普通の小説みたいな地の文がないので、登場人物への感情移入やら思い入れが生まれにくいから、文庫本1冊だけだと魅力がわかる前に終わっちゃうってことも多いからね。

それだから、1巻で完結するリプレイってのは、よっぽど奇抜なことをやらなくちゃ面白くならないんだろうな。キャラクターの魅力を掘り下げられないから、別の部分を魅力的にするってこと。
前述の『滅びのサーペント』だと、登場するメンバー全員15レベルっていう、普通では見れない展開だから面白かったんだろうね。

そこで、この『バウムガルトの迷宮城』だけど、これはゲーム的な目的が最初から定められているからか、最後まで楽しんで読めた。

『十日で、借金十万ガメルを返せ』

という目的を持ってダンジョンに潜り、そこで拾ってきたアイテムをお店で売ってお金を稼ぐ……。
と、作中でも語られているけど、まんま『トルネコの不思議なダンジョン』だね。

こんな風に、わかりやすい目的とルールのある、じつにゲームらしいゲーム。
制限時間と明確な目標があるからこそ、結末がどうなるのか最後までワクワクして読めたんだろうな。
一日に一万ガメル稼がないとノルマは達成できないのに、数千ガメルしか手に入らなかったりと、読んでいてやきもきするところは、小説や映画を見ているのともちょっと違う妙な面白さがあったな。

なんだろう、これ?
一番近いのはたぶん、人がプレイしているゲームを見ている状況なのだろうか。
「そこ、落とし穴ー!」とか「そっちじゃない、そっちじゃない!」とか、つい口に出して言いたくなるような感覚。志村うしろうしろー的なものというか、なんというか。
まあ、TRPGもゲームなんだから当たり前といえば当たり前なんだけど、この横からツッコミ入れたくなる感覚は面白いよなあ。

そういった、ちゃんとした道筋がある、わかりやすーい一冊だと思ったのに、途中から無茶苦茶な軌道変更するあたりがじつにTRPGリプレイ。
この、一寸先は闇という感じがじつにたまらない。
中盤以降は、とてもよいドタバタ劇になっていたな。

絶望しかない状況から助け舟を用意できる設定のゆるさは、TRPGならではだよなあ。
この、GMが頭抱えて次の展開を考えるのを見たり、プレイヤーたちもどうするべきかと途方にくれたりと、全員が悩んでいるところはほんと面白いよな。
お芝居そのものを楽しむのと、芝居をする役者たちのテンヤワンヤっぷりを楽しむという、メタ的な楽しみ方が出来るからね。

そんな感じの2章仕立てのリプレイがあり、残った50Pほどはこの『バウムガルト城の迷宮』のルール紹介に当てられている。
作中で出てきたダンジョンに出てくるモンスターや宝箱の遭遇表が掲載されており、実際に遊ぶことが出来るという仕様になっています。

用意されたデータは、1~6レベルの冒険者に対応しているので、まさにルールブックⅠを手にして遊ぶために作られたような一冊だね。
ここでしか手に入らない非売品の魔法のアイテムが七つ紹介されているのも、ちょっとしたポイントだろうか。

ソード・ワールド2.0のルール説明や、キャラクター作成の描写もけっこう細かいし、ゲームとしての面白さと予想のつかなさも十分。
ソード・ワールド2,0に始めて触れる人には最適かもしれない一冊でしたね。
こういう、手軽に遊べるゲームのシチュエーションとリプレイが合わさったものは、もっと読んでみたいな。

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感想リンク。
SW2.0リプレイ、全作品紹介。
『ソード・ワールド2.0リプレイ アシュラウトの無限工房』感想。
『ソード・ワールド2.0リプレイ モンスター☆ハッカーズ』感想。
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