FC2ブログ

『ミステリ感想』:『ビブリア古書堂の事件手帖』2、3巻。『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』1巻。

ミステリ・SF感想
11 /08 2013
ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)
(2011/10/25)
三上 延

商品詳細を見る

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)
(2012/06/21)
三上 延

商品詳細を見る

櫻子さんの足下には死体が埋まっている (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている (角川文庫)
(2013/02/23)
太田 紫織

商品詳細を見る

●『ビブリア古書堂の事件手帖』
安定して面白い作品。とびきり面白いというわけではないものの、読みやすいのでさっと日ミスが読みたいときには重宝した。

2巻、3巻ともに、ミステリという意味では1巻よりかなりパワーダウンしているものの、古本屋を題材にした日ミスとしては悪くない出来でしょう。
実在する本を登場させているので、藤子不二雄の『UTOPIA 最後の世界大戦』の話が出てきたときなんかはかなりテンションがあがったし。

それ以外にも、『時計じかけのオレンジ』は映画版は見ているものの、原作は読んでいなかったので作中で用意された話題についてはけっこう興味深く読めたかな。
こういう衒学趣味を中心とした作品は、既読だった作品の知らない部分を知ることも出来るのがいいですね

そういう実体験があったので、他の題材にされている本についても、知っている人ならかなり面白くなるんだろうな。
自分用のメモの意味も込めて、2巻、3巻でタイトルになった本を書いておく。


・『2巻』
『クラクラ日記』坂口三千代(坂口安吾の妻)
『時計じかけのオレンジ』アントニイ・バージェス
『名言随筆 サラリーマン』福田定一(司馬遼太郎の本名)
『UTOPIA 最後の世界大戦』足塚不二雄(藤子不二雄の昔のペンネーム)

・『3巻』
『王さまのみみはロバのみみ』
『たんぽぽ娘』ロバート・F・ヤング
『チュブラーシカ』(ネタバレのため伏字)
『春と修羅』宮澤賢治


●『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』
典型的な、ミステリがマイナス方向に作用していた作品だったかな。

ヒロインである櫻子さんの『骨が好き』という要素はライトノベル、ミステリのどちらにも使いやすそうな設定だけど、どちらとも上手く絡みあっていないように思えた。
それぞれがそれぞれの設定をつまらなくしている、というやつだね。

キャラ小説としてはライトノベルほど魅力的ではなく、かといってミステリ部分も本格派をうならせるようなものでもない単純な、それでいてフェアとは言いがたいものばかり。
かといって、日常の謎を題材にして読者に驚きを与えるでもないという全体的に中途半端な作品。

こういうのを読んじゃうと、『ビブリア』の1巻のバランスはかなり絶妙だったんだなあと思うしだいです。
あっちはちゃんと、人が死なないのにある意味では殺人事件よりも重苦しい事件だったという、古くは北村薫先生から続くド王道な日ミスだったからね。

ミステリはバランスを取るのが難しいんだなあ、というのが本格ミステリもライトノベルも、ライトノベルでのミステリも好きな人間の感想でした。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。

Re: タイトルなし

はじめまして。
申し訳ありませんが、当ブログは基本的にリンクやトラックバックを張らないことにしていますのでご了承ください。
問題がありましたら、このコメントともどもトラックバックなども削除いたしますのでその際はご一報ください。

トラックバック

「ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)」三上延

鎌倉の片隅にひっそりと佇むビブリア古書堂。その美しい女店主が帰ってきた。だが、入院以前とは勝手が違うよう。店内で古書と悪戦苦闘する無骨な青年の存在に、戸惑いつつもひそかに目を細めるのだった。変わらないことも一つある―それは持ち主の秘密を抱えて持ち込まれる本。まるで吸い寄せられるかのように舞い込んでくる古書には、人の秘密、そして想いがこもっている。青年とともに彼女はそれをあるときは鋭く、あると...

fujimiti