FC2ブログ

『人類は衰退しました』8巻 感想。「前後編の前編」

ラノベ感想
07 /08 2014

積んでいたライトノベルを読み崩そう祭りのそのいくつか。田中ロミオ『人類は衰退しました』の8巻。
9巻が発売しちゃったので、慌てて読みました。

今回も面白かったー!
アニメ版も面白かったけど、原作の毒全開な文章は病み付きになるよね。

この作品は、作者の田中ロミオ氏の上手さが発揮されているよなあ。
登場人物全員名前がなく、全文「わたし」による一人称、現代の常識が通じない未来世界だとか、かなり制限が多いのに読みやすい上に、ちゃんと読み物として面白いとかかなりすごいし。
その上伏線がきちんと張られ、一冊の中でちゃんとしたオチとモチーフを用意するというすさまじさだからね。

今回でいえば、前回から続く復旧支と支援者へのお礼に演じる『真夏の夜の夢』、それに登場するティタニアと妖精さんを関連付け、そこから夢の中のお話としてなんちゃってSFな展開に発展していくし。

それと平行して里から人材が流出していくところや、そこから生じる里の問題を関連付けるなど、無駄な要素がいっさいないところがじつにエレガント。
(ミステリ的な賞賛)

全編が不条理な雰囲気に包まれているのに、ちゃんと伏線が張ってあって結末にすべての要素が集約するのは、作者の力量としか言えないでしょうね。

この「すべての展開に意味がある」と思えるのは、小説の醍醐味だよなあ。
個人的には、ライトノベルはこの『伏線の妙』を楽しむのに適した媒体だと思っているので、
(漫画は綿密な伏線が少なく、一般小説よりもライトノベルのほうが短くすっきりと終わるので)
それが上手く扱われているこのシリーズは毎回楽しく読んでいる。


すでに9巻も買ってあるので、とっとと続きを読んじゃいます。
9巻の帯に致命的なネタバレが書いてあったけど泣かない。

――――――――――
感想リンク。
『人類は衰退しました』9巻
『人類は衰退しました 平常運転』
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

fujimiti