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『ソード・ワールド2.0リプレイ できそこないの転生伝承』感想。「NPCってGMの個性が出るよな」

ラノベ感想
09 /23 2014
ソード・ワールド2.0リプレイ できそこないの転生伝承 (1) (富士見ドラゴンブック)ソード・ワールド2.0リプレイ できそこないの転生伝承 (1) (富士見ドラゴンブック)
(2014/09/20)
大井 雄紀、グループSNE 他

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『モルグ街の殺人』を知らないとは!(驚愕)
ミステリとTRPGが大好きな当ブログとしては、まずこれに反応しなければならないでしょう。

探偵小説の元祖ということもあり、有名だと思ったんだけどなあ。
ミステリ好き以外は知らなくても当然といえば当然だけど……。

まあ、モルグ=霊安室ということを知らなかっただけで、『モルグ街の殺人』という作品もあることだし村の名前に使っちゃおうくらいのノリだったのかもしれないけどさ。
(どの道、殺人事件を扱った短編なので不吉なことには変わりないけど)

このモルグ村の件もそうだけど、名前が原因でプレイヤーが警戒しちゃうってのはTRPGあるあるだと思う。
自分が経験したのだと、前に山奥にあるロメロ村というのが出たときはプレイヤー全員、
「ゾンビが出るな」「ゾンビだな」「ゾンビだよねえ」
と警戒したこととかあったし。

こういう、PCと中の人たるプレイヤーの知識の差から来る笑いってのはTRPGの醍醐味でしょう。
上手く悪ノリしたらかなり笑えることになるし。

余談ですが、『モルグ街の殺人』を検索してウィキペディアを見たら掲載されている挿絵のイラストが盛大にネタバレしていて噴出した。
未読の人は絶対に見るなよ!(振りではなく、本気ですので)

閑話休題。
内容についての感想に移りましょうか。
このリプレイはシナリオ重視であり、それによる驚きも売りのひとつだろうから未読の方はご注意を。
以下、ネタバレです。


大井雄紀GM、はりきってるなあ。
完全に、シナリオ中心の物語にしてプレイヤーたちを巻き込む形にしたのか。

主人公たち4人パーティ(+NPCひとり+騎獣ドラゴン)に世界の命運を左右するような重大な目的を与えてそれを解決させるという、SW2.0リプレイで言えば『聖戦士物語』や『BRAVE』みたいなものと言えば近いだろうか。

ファンタジー、というかSFとファンタジー要素をごた混ぜにしたライトノベルや漫画ではよく見かけるタイムスリップを絡めた歴史改変ネタだけど、それをシェアワールドでやるとはかなりの英断だね。

下手したら他のリプレイや小説どころか、ゲームの設定の根幹にまで影響を及ぼしそうな大規模展開だけど、どうなるんでしょう。

序盤から明確に黒幕の名前が明かされたり、仲間の中にもいろいろと歴史改変に関係しそうな人が含まれているなど設定盛りだくさんっぽいので、1巻の時点ではまだ色々と手探り状態かな?
まだまだキャラも顔見せ段階でお互いの呼吸を確かめる段階だし。

とりあえず、やる気に満ち満ちている雰囲気が感じられるし、けっこう続きも気になる内容なので続きを楽しみにしています。


キャラ方面。
PCは人間、ラルヴァ、ミアキス、ハイマンと新種族を多く取り入れてきたか。
ミアキスはたしか、リプレイ初登場だよね? ラルヴァとハイマンは他のリプレイ(『七剣刃クロニクル』『アシュラウトの無限工房』など)に登場したけど、女性とショタなのでこちらも初といえば初か。

ミアキスは能力値的にスカウトグラップラーになるために生まれてきた種族としか思えないので、それを順当にこなしているタマの強いこと強いこと。
猫に変化できる上に暗視持ちなので、シティアドベンチャーで鬼のような有用さを発揮しているし。ロールプレイでも色々と笑いを提供してくれているし大活躍だね。
タンクファイターリルドラケンと並ぶ、SW2.0ガチビルドのひとつだと思うの。

そのほかにも、NPCとしてけっこう重要そうなエルフさんやらナイトメアさんやら新騎獣データでもあるチャイルドドラゴンが登場。
おかーちゃんと関係結びそうになっているけどいいんかい、とツッコミ入れたいけど、それ以上にツッコミたいのは汚れ芸しかしないドラゴンさんだったりなんだり。

大井GMのNPCは面白いなあ。
男女共にわりと色物でありつつ、PCがいじりやすいキャラを出して笑わせてくれるし。
(『バウムガルトの迷宮城』のジョージとか、『モンスター☆ハッカーズ』のリコリスとか)

NPCって、かなりGMの個性が出るよね。
個人的なイメージだけど、SW2.0関係のGMだと、

清松みゆき氏⇒プレイヤーとの阿吽の呼吸の漫才。
秋田みやび氏⇒その世界で生きているNPC。
藤澤さなえ氏⇒色物。変化球。
北沢慶氏・ベーテ氏⇒いじられ系、王道RPG系。

みたいな感じ。
秋田みやび氏のNPCは心の底から凄いと思う。
PCたちより前に出ないし重要なシナリオを押し付けないのに、ちゃんとその世界に生きている彼ら・彼女らという印象を与えくれるんだもの。

『新米女神の勇者たち』でも皇女姉妹やルー様、フィルゲンなどの重要NPCは当然としても、サブキャラもいいところなオタビットコンジャラー兄弟やらアインベフやらゼルブリア四天王など、どいつもこいつもその世界でちゃんと生きているようなイメージが簡単に浮かんでくるし。

それだからこそ、秋田みやび氏のリプレイは中の人どうしの漫才ではなく、ラクシア世界に生きるキャラクターたちの会話に思えるんだろうな。

一方、中の人どうしの漫才を突き詰めて笑いにしてくれるのが清松みゆき氏だと思っている。
この方は旧ソード・ワールドのころから、プレイヤーが口にしたバカネタに悪ノリしつつもシナリオを面白い方向に導くのが本当に上手いからね。
『双頭のサーペント』であった、

「【サモン・フィッシュ】でシャチと泳いだ楽しい思い出をもう一回」
「わしはほ乳類やねんで~、ビチビチ」

とか、二行で笑えるし。
『バブリーズ』や『サーペント』シリーズがそれで大成功しているのは言うまでもないことだけど、個人的にはGMの思惑が語られている『猫の手冒険隊』がベストだと思っています。

ベーテ氏と北沢氏はどちらもNPCの傾向が王道RPG的で似ているとは思うけど、ベーテ氏のほうが自ら敵キャラを色物などの残念系に走らせようとしているような気がしないでもない。
(『USA』のハイゴブリンメイデンとかニンジャとかメタボガードとかそこらへん)

北沢氏のNPCはチンピラだったり、カッコつけているからこそいじられるというのが多いよね。
(『BRAVE』のキーンクレカスとか)
どちらも悪役らしい悪役も出せるし、悪ノリをほどほどに止めてキャラ付けを維持しようとするなどバランスの良いGMだと思います。

藤澤氏が色物なのは説明なくていいですよね?
(だって、それ以外にどう形容していいかわからないし)
いや、好きですよ。『ルーン・うぉーかーズ』の腰みのとか魔神とか、『Sweets』のコンテストみたいな変なノリ。


最後に雑感。
・巻末のミアキスのデータがまちがいすぎている(笑)
能力値、心技体の数値、爪の能力、獣性の発露の説明などどれも『イグニスブレイズ』の記述と違うとかどういうことですか。
思わず、データが改訂されたのかと公式HPを調べちゃうほどの違いだったし。

・キャラ作成のときに仄めかされていたけど、タマはミケ(『USA』)の友達なのだろうか。
・殺戮の女神、危険神キル・ヒアー様はここでも有名なのか(笑)
・ラルヴァは相変わらず微妙に残念種族。
まあ、吸血鬼が人間社会で生きていくには物乞いになるか追いはぎになるしかないよねえとも思うけど。

・ハイマンはロリショタを出す大義名分を整えやすい。覚えたぞ。
そしてGMと編集さん荒ぶりすぎ。
いままでリプレイに出たショタPCなんて、ムーテスくんくらいしかいなかったから無理もないよねー(棒読み)

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感想リンク。
SW2.0リプレイ、全作品紹介。
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