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『人類は衰退しました』9巻 感想。「最終巻で一気にSF色全開」

ラノベ感想
01 /09 2015

ガガガ文庫『人類は衰退しました』の9巻、読了。
年末年始に短編集『人類は衰退しました 平常運転』を読み終えたので、書いていなかった9巻の感想も書いておきます。

そんなわけで、最終巻。
このシリーズでは初だったと思う続きものであり、8巻から続くエピソードの完結編。

ここに来て、一気にSF色が強くなったなあ。
『銀河鉄道999』パロとか、ふざけた妖精さんとのやりとりはいつもどおりだったけど、「わたし」さんが見た地球と人類、そして妖精さんの歴史がすげえ。

発売からけっこう時間も経っているのでネタバレ全開で書いちゃいますよ。
けっこう重要なことなので、以下は本編読了後に読むことをオススメします。



これは、ほのめかしの上手さを堪能できたなあ。
さらっと読み流した人は何がなんだかわからなくてもおかしくない情報量で、あとは読者が真相を発見することにゆだねるという手法はいつもと同じだけど(ゴム動力生命体とかもそんな感じだったし)
今回はそれがさらに強く発揮されていた。

これって、じつはいままで人類だと思っていた「わたし」や祖父、Yなどはすべて妖精さんだったということでいいんだよね?
妖精さんは、大昔から人間さんになりたいと思っていた。だからずっと人間さんのマネをしており、いつのまにか人間さんととてもそっくりになっていた。

そして、人類が衰退したいまだからこそ、彼ら妖精さんは自分が妖精さんだったことも忘れ、人類に代わって地球に住むようになっていた。
本当に身も心も人間さんになっていたので、すでに不思議な力も使えなくなっている、と。

これ、すげえなあ。この設定、最初から考えていたのかな?
タイトルにもある人類は衰退しているという言葉や、過去の展開で見せた妖精さんは人間さんの行動をマネする(国作りとかそういうの)という要素がここに繋がるとは思わなかった。

このオチを読者に、そして何より「わたし」に理解させるために用意されたエピソードも好きだなあ。
妖精さんは何でも出来る。でも、人間はそれが出来ない。もし、「わたし」が事態を解決できる奇跡を願ってしまえば、そのとき彼女は人間ではなくなってしまう。

この、せっかく手に入れたものを手放すのかという切ない選択は非常にSFしていたと思うので、めっちゃ大好き。
いままでさんざ、妖精さんとは不条理を行える存在であり、彼らと付き合っていれば大ピンチにはなるが死者は出ないという展開を見せていたからこそ生きてくるオチだろうな。
3巻の遺跡探検のときもそうだけど、ロミオ先生は妖精さんがいない状態という恐怖を描くのが本当に上手いよね。

あまりSFについては詳しくないし読書量も足りない人間なので、これくらいのS・F(すこし・ふしぎ)要素は心の底からツボにはまりましたよ。
(じつは人間でしたorじつは人間じゃありませんでしたってのは、SFでは定番ネタだとは思うし)

そんなわけで、最後まで大好きなシリーズでしたとさ。
これが最終巻……ではなく、すでに短編集も発売しているしすでに読み終えているので、続けて感想をまとめたいと思います。

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感想リンク。
『人類は衰退しました』8巻
『人類は衰退しました 平常運転』
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