FC2ブログ

『ミステリ感想』:青崎有吾『体育館の殺人』元ネタまとめ。

ミステリ・SF感想
03 /06 2015


前にも感想を書いた青崎有吾著『体育館の殺人』の感想その2。
今月の12日に文庫版が発売するので、今回は作中で登場したオタネタの元ネタをわかる限りまとめ、ついでに一言コメントを書いておきます。
当然ですが、正しい元ネタかどうか確証はありませんので、そのあたりはご注意を。

調べたのはハードカバー版ですので、ページ数もそれに準じます。また、元ネタがわからなかったものは検索して調べ(検)と記しておきます。

また、メディアミックス作品が元ネタの場合、一番最初の作品(アニメ化されたものは漫画や小説など)を記します。
なお、100Pにある『絶望先生』のように直接作品名を記したものは元ネタリストに載せませんのであしからず。

●『1章』
・33P:段落タイトル「未解の記しは赤と黒」→『仮面ライダーX』OPテーマ『セタップ! 仮面ライダーX』の歌詞「誓いの印は赤と黒」より。
セタップ! セタップ! セッタープッ!

・40P:段落タイトル「端を駆ける少女」→筒井康隆『時をかける少女』
アニメ版か実写版のEDテーマのどちらを思い浮かべるかでその人の年齢がある程度わかるかもしれない作品。

・71P:針宮理恵子。
・201P:「ハマリすぎると、病気になりますよ」→どちらも、声優の釘宮理恵が元ネタ。
釘宮病:『声優論 アニメを彩る女神たち』いわく「釘宮ウイルス過敏性大脳皮質炎」
不治の病。コピペを生み出すほどの破壊力を秘めた釘宮理恵の声を聞くと感染する。
とりあえず、『ゼロの使い魔』のEDを全部聞いてみればおおかた発症するはず。
(自分は二期の「いーつも、いーつも」と「ふーらり、ふーらり」の部分が好きです)


●『2章』
・88P:裏染の部屋に張ってあるポスター。それぞれ、
「ギターを構えた~」→『けいおん!』
「メイド姿でソファに~」→『これが私の御主人様』
「セーラー服の青髪~」→『らき☆すた』
「和風の神様みたいな格好の子が友達に胴上げ~」→『かみちゅっ』
「巨大ロボットの前で手をつなぎあって~」→?
「頭から猫耳を生やして空を飛んで~」→?
「ケープつきの白いドレスで舟を漕いで~」→『ARIA』
「マスコット的生物を肩に乗せてピンク色の弓を~」→『魔法少女まどか☆マギカ』(?)

いくつかは自信なし。
「巨大ロボットの前で手を繋ぎあって~」と「頭から猫耳を~」は情報が断片的すぎるるため、断言しづらいので保留。

『まどマギ』もあってるか微妙だけど、「メイド姿でソファに並んだ三人組」はかなり悩ましい。
他のネタの傾向からして『これが私の御主人様』でまず間違いないと思うが、
(ポスターなので、だいたいが有名な画像が出典になっている)
メイドものはアニメだけでも『超重神グラヴィオン』『花右京メイド隊』『まほろまてぃっく』などいくつか思いつく上に、メガミマガジンなどのコスプレピンナップまで含めると『ロウきゅーぶ』まで該当するという魔境なので確実性に乏しい。

・91P:ユノ→二〇一号室は『ひだまりスケッチ』のゆのっち、ヤンデレヒロインは『未来日記』の我妻由乃。
『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』を例に出さないあたり、作者は自重した(本当かよ)

・91P:「さよなら、さよなら、さよなら」→映画解説者、淀川長治氏のお決まりのフレーズ。
最近はCGモデルになってCMにも登場しているので、ご存知の方も多いはず。

・123P:『まどか』の原画集→アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の原画集のこと。
裏染の言葉通り、一冊三千円以上する上に6冊もあるのでコンプリートしようとすると高校生にはかなりの出費。

・141P:「松岡由貴を彷彿とさせる」→同名の声優。
知名度的にも裏染の年齢的にも『涼宮ハルヒ』シリーズの鶴屋さんのほうが先に出るだろうに、あえて『おジャ魔女どれみ』の妹尾あいこを例に出すあたり裏染(というか作者)の業の深さを感じる。
(『おジャ魔女』シリーズの最終作は2002~2003年に放送。その後は『明日のナージャ』プリキュアシリーズと続く。裏染はおそらく90年代後半生まれなので、リアルタイムで見る機会はまずない)


●『3章』
・150P:俺の妹がアンフェアすぎて困る→ライトノベル『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』
鮎川哲也賞受賞作でオタネタがてんこ盛りなわけがない(錯覚)

・157P:「おっはよほほ~い!」→(検)『こちら葛飾区亀有公園前派出所』57巻に登場した台詞より。
村上龍もお気に入りらしい。

・159P:「何人たりとも俺の眠りを妨げる奴は許さん」→漫画『SLAM DUNK』に登場する流川楓の台詞より。
学生時代に『スラムダンク』を読んだ人ならば、まず間違いなく一度は使っただろう有名なフレーズ。

・159P:「ISのOVAとDTBの二期」→『IS(インフィニット・ストラトス)』と『DARKER THAN BLACK 流星の双子』のこと。
『流星の双子』はBD・DVDに収録されているOVAを見てからじゃないと理解しづらい不親切なアニメだったなあ。

・160P:段落タイトル「演劇部二十時間前」⇒?
元ネタがありそうなフレーズなのだが不明。

・164P:平賀=キートン→漫画『MASTERキートン 』の主人公。
フリーの調査員(ボブ)も、平賀キートンが使ったフレーズ。

・165P:サムスと湯音ちゃんと薔薇水晶→『メトロイド』『異国迷路のクロスワーゼ』『ローゼンメイデン』
それぞれ、作中で語られるような青いボディスーツ(ゼロスーツサムス)、おかっぱで振袖、紫のドレス姿をしている。

・170P:段落タイトル「生徒会役員共」→漫画『生徒会役員共』より。
中高生の下ネタの仕入先はだいたいこれ。

・170P:「川嶋亜美ちゃんとか」→ライトノベル『とらドラ』の登場人物。
天然が自分のことを天然と言うか?(高須竜児談)

・175P:「何かのドラマに、携帯電話で通話しながら人を殺す男の話もあったし」→ドラマ『古畑任三郎』の『忙しすぎる殺人者』など。
いくつか該当しそうな作品がありそうだけど、ぱっと思いついたのはこれ。

・175P:「ほんのり桜色くらいだな」→田村ゆかりの歌『ほんのり桜色』から。
扱われるネタの傾向からして、『くちびるためいきさくらいろ』が来るかと思ったもののそこは自重した模様。
(続編と短編集では百合ネタ待ったなし)

・177P:「生徒会で会計で椎名だ? 普通、金髪薄目のストレートでリボンだろう」
・259P:「さすがですよ真冬さん」→どちらもライトノベル『生徒会の一存』の登場人物、椎名真冬から。
個人的には、1期の堀中優希さんの声のほうが好きです。ぎゃくにー。

・179P:段落タイトル「すすめ風高放送部」→漫画『進め!!聖学電脳研究部』 
平野耕太による、ゲームネタまみれのクソオタ漫画。ゼルダは2兆億万点。
『行け!稲中卓球部』『行け!!南国アイスホッケー部』など、こういうフレーズの作品は多いのでこれかどうかは自信なし。

・196P:「久々に良質な東方MADが作りたくてね」→東方Project のMAD動画。
ニコニコ動画など、動画配信サイトを調べればわんさと出てくるはず。(あまり詳しくない人)

・199P:段落タイトル「ロックドルームは鳴り止まない」→(検)『ロックンロールは鳴り止まない』
という歌があるようです。

201P:→71Pの項目を参照。


●『4章』
・210P:「まとめサイトで禁書のSS漁ってた」→ライトノベル『とある魔術の禁書目録』の二次創作SS(ショート・ストーリーorサイド・ストーリー)のこと。
十代のころに好きなアニメや漫画やライトノベルのSSを読み漁らないオタなんていませんよ(偏見)

・221P:「南家の次女並の馬鹿」「東大通並のパープリン」→漫画『みなみけ』と『東大一直線』の登場人物。
どちらも別方向で馬鹿。

・221P:「鏡花水月」→漫画『BLEACH』に登場する武器名にして催眠系能力の技名。
一体いつから――この本がライトノベルだと錯覚していた?

・222P:「姫宮アンシーくらいの馬鹿でかいメガネ」→漫画『少女革命ウテナ』の登場人物。
90年代くらいの作品のキャラデザは目が大きいものが多いので、必然的にメガネも大きくなる傾向にあったよね。

・225P:「僕はキムチを頬張りながら剣呑剣呑とつぶやくような痛い奴ではありませんよ」→(検)西尾維新『戯言』シリーズより。
前後の台詞から戯言シリーズだとは判断できたものの、数冊しか読んでいないのでわからなかった。

・238P:段落タイトル「君の知らない物語」→アニメ『化物語』EDテーマ『君の知らない物語』より。
あれがデネブ、アルタイル、ベガといっても、仮面ライダークロノスともデカマスターともハイペリオンとも無関係。

・250P:「逃げちゃダメだ」→アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』碇シンジの台詞より。
反対語は『OVERMANキングゲイナー 』の「エクソダスするかい?(訳:逃げちまえ)」


●『5章』
・256P:「その口ぶりだと、正解率は一パーセント程度だと見ているようですね?」→ゲーム『ひぐらしのなく頃に』のキャッチコピー。「正解率1%」より。
正直、キャッチコピーだけならミステリ・オブ・ザ・イヤーを受賞できるほどものだと思います。

259P:→177Pの項目を参照。

・296P:『大魔法峠』を見たときくらいの衝撃を受けました→漫画『大魔法峠』より。
関節技で敵を倒す魔法少女という、どこぞのインキュベーターじゃなくてもわけがわからないと度肝を抜かれること請負の作品。
……と、コミックス出版当時(ゼロ年代前半)はそう思っていたものの、現在のライトノベル界隈における魔法少女はチェーンソーを武器にしているのやら、拳で人間をミンチ(比喩にあらず)にするようなのがうようよいるあたり、時代の流れというのは恐ろしい。
(裏染の年齢的に、変な魔法少女といえば『これはゾンビですか?』『アンチ・マジカル 魔法少女禁止法』『魔法少女育成計画』のほうがストライクだと思うけどあまり突っ込んじゃいけない)

・302P:「裏染天馬は静かに暮らしたいんです」→漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第4部に登場する連続殺人鬼、吉良吉影のモットー「吉良吉影は静かに暮らしたい」から。
吉良吉影が好きな人は、『悪の教典』のハスミンが大嫌い(自論)

・303P:「フェイトのブルーレイ」→ゲーム『Fate』シリーズ。
時期的に考えて、アニメ『Fate/Zero』のブルーレイBOXのことだと思われる。

・311P:「アナゴさんとセルだよ」→声優の若本規夫氏の演じたキャラクター。
自分は最近の本気モードよりも、ロイエンタールやビシャスのような演技のほうが好きです。


●『雑感』
まとめてみると、アニメ化した作品に元ネタが多いことがわかる。
有名なものが中心なので、ある程度アニメを見ている人なら元ネタがすぐにわかるはず。

そういうネタの中で、『おジャ魔女どれみ』や『少女革命ウテナ』くらい微妙に古い作品だと完全に作者の趣味だと思えるのでちょっと笑える。
『仮面ライダーX』くらい古いと、歌として聞いて知ったんだと思えるんだけどね。
(自分もそのくちだし)

しかし、作者はよくもまあミステリの新人賞でここまでオタネタ満載な作品を投稿しようとしたものだ。メフィスト賞ならさておき、鮎川哲也賞だからなあ。
ぶっちゃけ、ミステリはよく読むけどアニメとか見ない層の人がこの作品のネタをどう思ったのか、わたし、気になります!
(『氷菓』はミステリ好き、アニメ好きの両方に通じるネタだよなあ)

ちなみに続編の『水族館の殺人』も同じようにオタネタ満載なので、また文庫化のときにでも元ネタまとめをやってみようと思います。


――――――――――
感想リンク。
青崎有吾:『体育館の殺人』
青崎有吾:『水族館の殺人』
青崎有吾:『水族館の殺人』 元ネタまとめ
青崎有吾:『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』

『アンデッドガール マーダーファルス』

水族館の殺人水族館の殺人
(2013/08/10)
青崎 有吾

商品詳細を見る
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

fujimiti