FC2ブログ

『男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。』上下巻 感想。「通算500P近くのあいだずっと首を絞め続けられている作家小説。別名『猿でもわかる、電撃文庫が出来るまで』」

ラノベ感想
07 /08 2015



時雨沢恵一『男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。』上下 読了。
通称、タイトルの長いアレ。

なんだかんだと今まで読んでいなかったので初読。
いわゆる作家もの小説ということは聞いていたものの、これは作家小説というよりもむしろ、
「電撃文庫がお店に並ぶまで」
なドキュメンタリーといったほうが正しい内容だったな。

アニメ化が決まったライトノベル作家がヒロインに向けて小説を書くようになったきっかけから作家になるまでを話し、プロットの作り方どころかパソコンを買ってどういうソフトを使って執筆するのかなど、やたらと細かく小説が出来るまでを説明する。

小説が完成したら、次は印刷するためのプリンタやら投稿するときに用意するものなどを列挙し、さらには拾い上げシステムの説明などと楽屋裏めいた話はどこまでも続き、徐々に創作とは程遠いところにまで進んでいく。

校正やらゲラやらの専門用語が飛び出し、懐事情を探るような初版の発行部数に印税、確定申告(白色申告と青色申告の違いまで説明している!)の話しなど、どこまで本当なのかと首をかしげるほど生々しい話題は興味のある人にとってはたまらないのかもしれない。
初版27000部は新人ではとても多いとか言われても、読者としてはピンときませんって。

とまあそうやって、文量のほっとんどが作家の日常みたいな話で終わっている。
どこまでが実話なのかわからないものの、最終選考と拾い上げの話しは面白いな。とくに、主人公みたいな若い人はデビューするだけでもひと騒動ってのはいろいろと興味深い。

電撃文庫は最終選考まで残るとまず間違いなくデビューしてしまう。
中学三年生でデビューしてしまうと、その人の人生に大きな影響が与えてしまうからとあえて最終手前で落とし、一度意思確認をしてから拾い上げを行うとかね。

この経歴は、某鎌池和馬さんを思い浮かべてしまうんだけど、本当にどこまで実話なのだろうか。
(かまちーも覆面作家なだけに、こういう勝手な想像が進んでしまうよなあ)

上下巻あわせて、じつに500Pのあいだずーっと首を絞められているのはなかなかにアレなものの、この長いタイトルを毎回章の始めやら重要なところで出してインパクトや緩急をつけているところはさすがに上手い。
お話し自体はシンプルなのに、ちゃんと要所要所で記憶に残るような部分があるのはベテラン作家の力量だね。

でも、全体として見るとやっぱり普通かなあ。
青春小説としてはけっこう面白いけど、読み終えてから思い返してみるとお話らしいお話はけっこうボリュームが少ないし。
主人公がヒロインと出会い、毎週アフレコ現場に向かうまでの電車の中で話しをし、そして首を絞められましたというだけだし。

主人公とヒロインはまだまだ駆け出しの域を出ていないというところは好みだし、読みやすくてするすると読めたものの、飛び切り面白いという感じの作品ではないね。
3巻も発売しているけど、そちらはまあ興味が出たときにでも読んでみます。


――――――――――
感想リンク。
『メグとセロン』7巻
『一つの大陸の物語』
『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン ―スクワッド・ジャム―』


スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

fujimiti