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山本弘『翼を持つ少女 BISビブリオバトル部』感想。「『仮面ライダー響鬼』は全何話だ?」

一般小説感想
08 /12 2015

山本弘『翼を持つ少女 BISビブリオバトル部』読了。
タイトルに書いたのは作中でもっとも印象に残った言葉です。
(答えは読んで確かめましょう。48話じゃないからな!)

五分の間に自分が好きな本を紹介するというビブリオバトル。
自分もどういうものかは知っていたものの、実際に目の前で見たことはないというこれ。
バトルとは名がつくものの別に勝敗を競うものではなく、いわゆる「楽しんだもの勝ち」というゲームっぽさが魅力のひとつ。

ビブリオバトルを題材にしているので、作中に出てくる本の内容が面白さを左右すると思われるのだが、そこはさすがの山本弘。
SFからライトノベル、ノンフィクションに科学、雑学、BLにトンでもと何でもありなごった煮感がとんでもないことになっている。

主人公格である伏木空がSF好きであり、相方ポジションな武人がノンフィクションばかり読んでいるところは作者の得意ジャンルを語らせるためなんだろうけど、それにしても登場する本の幅が広いこと広いこと。

一口にSFといっても本当に色々。
1巻はエドモンド・ハミルトンが中心となり、古典名作の『フェッセンデンの宇宙』やら『キャプテン・フューチャー』シリーズへの深い愛が語られたと思いきや、現代日本最高のSF作家のひとりとして野崎まどの名前まで出るなど年代を問わず作品が紹介されているので巻末の参考資料の数が大変なことになっているし。

実際にビブリオバトルで紹介される本は十数冊程度なんだけれど、それでも、これだけ内容を語れて、かつ、青春小説としてちゃんと物語を成立させているところはすごいよなあ。
(そして、この青春小説風の描き方の参考にした本がファミ通文庫から出版されている『文学少女』シリーズというあたりも、じつに山本弘氏らしい)

何より、作中で紹介する本は実際に作者が楽しんで読んだんだろうと思える紹介の仕方が最高。
自分も読んで面白かった本をブログで紹介するのは大好きだし、人様の「これおもしれー!」という叫びを読むのも好きなので、この本はそれだけで楽しめたな。

紹介された本のうち何冊かは読んだこともあったので、既読者からすると「こう紹介するのか!」という楽しみ方も出来たし。
(ちなみに、個人的オススメは『小学4年生の世界平和』。世界平和ゲームというものに子供たちが挑むノンフィクションです)

しかし、このビブリオバトルの考案者は『ソード・ワールドRPG』をプレイした経験をヒントにしてビブリオバトルを思いつき、山本弘氏が書いたリプレイを参考にして『ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム』を書いたというあたり、奇妙な縁を感じてしまうな。
(まあ、ある程度以上の年齢の人だったらファンタジーブームまっさかりのときにロードスと出会い、そこから派生してTRPGに触れる機会も多かったと思うけどね)

すでにシリーズ2冊目も出ており、そちらももう読み終えたのでさっさと感想を書いちゃいます。

――――――
感想リンク。
『幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部』
『世界が終わる前に BISビブリオバトル部』

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